中国の機関紙「世界1セクシーな男に金正恩が選ばれる」という嘘ニュースに引っ掛かる
アメリカには、世界のニュースを皮肉たっぷりに風刺記事にする『ジ・オニオン』“The ONION”というパロディサイトがあります。
つまりは嘘ニュースなわけですが、日々の事件をまことしやかにニュース風にしてあるため、知らなければうっかり本当のニュースと誤解してしまいます。
なんと中国の機関紙『人民日報』が、「世界一のイケメンに金正恩が選ばれる」と言う記事に、まんまと引っ掛かってしまったそうです。
記事の内容は、またそれがいかにも冗談っぽい内容なのですが、北朝鮮の金正恩氏が『ジ・オニオン」より、2012年のもっともセクシーな男として選ばれたという内容だったのです。
(Kim Jong-Un Named The Onion's Sexiest Man Alive For 2012 | The Onion)
検閲を通さなくても冗談とわかると言うか、突っ込みどころが満載なのですが、どこをどうかいくぐったのか、中国の偉大なファイヤー・ウォールを抜け、なんと中国共産党の機関紙『人民日報』に掲載されてしまったのです。
オニオン側に書かれていた記事の具体的内容ですが、
「金正恩氏は圧倒的にハンサムで丸い顔の少年のようなチャーミングさを持ち、この平壌出身のあこがれの的は、まるで女性の夢が叶ったかのような人物である」
「かわいらしさと、マッチョさを同時に兼ね備えてるなど、非常に珍しいタイプ」
「新聞社の編集部でも金氏のファッションセンスにみんなうっとりしていた」
……など、普通に考えればパロディそのものだったのですが、なぜかそのまま記事が検閲を通過してしまったようです。
パロディと気づいて記事はすぐに消されたようですが、これを中国紙がまじめに受けてしまったことから、欧米サイトでは格好の話題となっていました。
コメントの一部をご紹介します。
●これはもう取りつくろうのは無理だろう。いや真面目にどうやったら、国の機関紙がオニオンなんかを真面目にとるんだ?
●何百、何千というアメリカ人が新聞の見出しに騙されるのと同じ理屈だよ。海外で起こっても驚きではない。
●オニオンサイトより
「その著作権はオニオンが保有するものとし、許可なく印刷や掲載することは部分的にでも出来ません。また、オニオンはすべての記事の名前を創作しており、ただし公人に関しては風刺が込められることがあります。その他の実際の名前と一致しているものは偶然か事故です」
●よその文化には風刺というものはないのかな。
●フランス語の風刺新聞で似たようなことが掲示板に投稿されていた。その記事を見つけられないけれど、よく考えると、海外のソースなんてGoogle翻訳に頼るだけなので、その真偽や文化は読み取れないかもしれない。
●ロシアの風刺新聞に騙されて、西欧のメディアもよくやっているだろ。
●こういうことが起こるたびに、オニオンはライターにボーナスを出すべきだ。現実のジャーナリズムと間違えられるということは、風刺として最上の褒め言葉だ。
●「55ぺージにわたり写真掲載……」これで中国の朝鮮への敬意がわかるな。
●そのセクシーな写真がここにある。
●確かにセクシーな馬だ。
●これは、アメリカ人が中国は風刺を理解していないと、中国が風刺している内容だ。
嘘ニュースに騙されたことがある人も多いと思いますが、さすがに検閲が厳しい国の機関紙がだまされたと言うことで、面白く映ったようです。
海外の嘘ニュースとなると余計に判別が付きにくいですよね。
China's party paper falls for Onion joke about Kim Jong Un
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