ヨーロッパの卵をアメリカで販売するのは違法、アメリカの卵をヨーロッパで販売するのも違法…理由は殺菌の考え方の違い
欧米では日本のような卵の生食文化がないこともあり、サルモネラ菌などの危険性が高いようです。
そしてヨーロッパとアメリカの間でも卵の扱いは大きく異なります。
アメリカの卵をイギリス(EU)で販売するのは違法で、逆にイギリス(EU)の卵をアメリカで販売するのも違法だそうです。
Forbesによると、大西洋をまたいだ両大陸にこうした差がある根底には、安全に対する考え方が違うことにあるとのことです。
USDA(アメリカ農務省)では、卵が消費者に届くまでに洗浄・消毒しなければいけないと定められています。
一方、EU(欧州連合)では、卵を洗浄してはいけないルールになっているのですが、このことが良い農業管理を促すという理解だそうです。
アメリカ農務省では、近代的な細心の注意を払った管理下でも不衛生な卵は発生するという観点に立っています。殻の外側にサルモネラ菌が付着したまま消費者にわたり、卵を割ったその手でサラダを作ったりするといったリスクです。ついでに卵の殻は多孔性であることから、条件次第では卵の中にウィルスなどの微生物が入る可能性もあると説明しています。
アメリカでの洗浄方法ですが、卵内の温度(摂氏32度以上)より10度ほど高いお湯で洗浄します。その後さらに消毒液の入ったぬるま湯がスプレーされ、すすぎが行われます。それにより細菌が除かれ、その後乾燥させて水分を取り除きます。
EUでは、この最後のステップを問題視しており、細菌は乾燥した卵の殻を通過できないのですが、そこに水分が加わると細菌を増やす原因になるだけでなく、サルモネラ菌などの病原体を通過させる媒介になりうるそうです。このことから中途半端な洗浄処置はむしろ危険を増やすとして、卵の洗浄が禁止されました。
また、産まれたての卵はクチクラという細菌の侵入を防ぐ層に包まれているものの、洗浄をすると、その層のほとんどが失われてしまうといった点も挙げています。
海外掲示板には、両大陸間でルールが異なることを知らなかったとの意見が多く残されていました。
●早朝5時35分なのに、3ページもの卵の記事を読んでしまった。おやすみ。
●よし、卵密輸シンジケートでも組むことにするよ。
●↑単に自分でニワトリを飼ったらいいだけだろう。
●↑一気に盛り上げて一気に盛り下がった例だね。
●卵を洗浄しない場合、室温で保存してもOKって、これにショックな人のほうが多いんだろうな。
●イギリスからだけど、冷蔵庫に卵を入れたことないわ。いつもセラミックのボウルに入れてカウンターに置いてる。
●イギリスではニワトリへのサルモネラ菌の予防接種を必須条件としてから、人間への感染が14000件から600件に減ったのか。で、アメリカでは予防接種は必須じゃなく、サルモネラ菌の感染が14万1000件っだって!?
そしてアメリカの生産者がそれをしない理由は、1羽当たり14セント(約14円)かかるから!? 頭おかしいと思う。
●↑イギリスも政府が必須にしているわけではない。ただスーパーが予防接種をしない生産者からは買わないんだ。
●水の入ったボウルに卵を入れると腐っているかどうかがわかるんだ。浮いたら腐っている。沈んで倒れたら大丈夫。沈んだけど立っている場合は1〜2日中に食べないといけない。卵は傷みだすとガスが上(細い側)に溜まるらしい。
ちなみに日本ですが、卵の洗浄と、ニワトリへのサルモネラワクチンの予防接種の両方に加え、抗生物質入りのエサも与えられているそうです。
安心して生卵を食べられるのは、こうした万全の対策のおかげなのですね。
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