アメリカがドイツや日本に対してもスパイ行為をしていたことへの海外の反応
6月上旬、元CIA(米中央情報局)職員およびNSA(国家安全保障局)職員のエドワード・スノーデン氏が、アメリカ政府がインターネットのハッキングを通じて中国をはじめとした各国への諜報活動を行っていた事を告発し、世界中に衝撃を与えました。
さらに対立国だけでなく、ドイツなどのEU加盟国にも(さらに日本やフランスやイタリア、ギリシャ、メキシコ、インド、韓国、トルコなどの同盟国大使館に対しても)、盗聴による情報収集を行っていたことが暴露され、連日トップニュースとなっています。
現在スノーデン氏はロシアで亡命受け入れ先を申請している段階ですが、この事件に対する海外掲示板の反応をご紹介します。
●これでアメリカの国際的な場での活動計画が確実に失われることになったな。
●暴君には友達はいない。ライバルがいるだけだ。それから裏切り者と。
●アメリカには仲間はいないさ。持っているのは「興味」だけだ。もしそういう文脈でアメリカを見たなら、長期計画で感情を出さずに興味を示し続けていると理解できるよ。そして相手の興味と自分の興味が一致したときは同盟国となる。そして興味が分かれたときは……。
●仲間がスパイしたというのが驚きだ。
●「アメリカは同盟国よりシークレット・サービスを監視すべきだな」 byルクセンブルグ外務省
●「カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、そして英国はスパイ対象から外されていた」
それは彼らがすでに情報を米国と共有しているからだろう。
●UKUSA協定のメンバーだからだろうね。
(UKUSA協定 - Wikipedia)
エシュロン - Wikipedia
●UKUSA協定をすぐYakuza(やくざ)協定と読んでしまう。
●アメリカは我々イギリスをスパイしなくてもよい。情報交換ということでデータは渡しているからな。
●ドイツ人だけど、この答えとしてはスノーデンに政治的庇護を提供してもいいのではない? それが適当と思わない?
●↑すべきだよ。(デンマーク)
●↑してあげたい。(ノルウェー)
●↑そうあろうとトライしてるんだけど。(アイスランド)
●↑それはよかった。(フェロー諸島)
●↑助けて。(カナダ)
●ドイツが自分のところの市民をスパイしないもんだから、アメリカがしなくちゃいけなかったんだ。
●EUの大国が保護を申し出ていないのがなぜかなと思う。それって何かを意味していないか?
ドイツあたりが保護を申し出てアメリカに説明を求めたりすると、経済的、政治的圧力にさらされることになる。なかなか勇気がいる。相当の勇気がね。
●ドイツ人として言うが、このことではかなりムカついている。深刻な抗議活動も(まだ)行われていないことも信じられん。何千人もの人々がフランスでゲイの結婚に関する抗議デモをしたらしいが。(どういうことなん!?)
●どこかでこういう格言聞いたことあるな。
「友達を近くに、敵はさらに近くに」
●同じことをドイツか中国が、アメリカに対してやったと考えてみよう。
●ドイツに住んでいるものとして、今までNSAのことを全く考えたことはなかったが、くそっ。
●アメリカが軍隊を片づけて、ドイツから出ていく時が来た。もう十分だ。
●アメリカめ。
●オレら、みんなアメリカに住んでるんだけど。
さすがに同盟していた相手に「スパイしていました」と公表されれば、「なんだって?」となるわけで、当然ながら辛辣な意見が目立っていました。
日本大使館も盗聴の対象となっていただけに、とても見過ごせる問題ではありません。
ただし一方で、今回の事件によって得したのは間違いなく中国であるとの主張も少なくないようです。
米政府は今週から行われる米中戦略・経済対話において、中国政府の主導による企業へのハッキングを通じた窃盗を強く非難する予定でしたが、この件によって強い態度で望めなくなるだろうとみられています。
(参照:スノーデン問題、米国の中国追及を鈍らせる可能性)
スノーデン氏の最初の逃亡先が香港ということもあり、確かにタイミングがあまりにも良すぎる気はしますが……。
政治は一筋縄ではいかないようですが、さて、この問題の行く末はどうなっていくのでしょうか。