849億円を丸儲け…2008年にネットサービスを850億円で売却した夫婦、2013年にたった1億円で買い戻す
Facebook、Twitter、Mixiを始めとした、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の興隆は激しく、数年もすれば勢力図は大きく変動します。
マイケル・バーチ夫妻は、自らが立ち上げた「Bebo」というSNSを、2008年にAOLに8億5000万ドル(約850億円)で売却したのですが、5年後の今年(2013年)にわずか100万ドル(約1億円)で買い戻したことで話題となっています。
金額が大きすぎて実感しにくい数字ですが、Beboは2005年にマイケル・バーチ“Michael Birch”氏が妻と共に構築したSNSで、3年後にAOLによって買収されました。
その額なんと8億5000万ドル(約850億円)。当時は夫婦が70%の権利を保有していたため、夫婦だけで5億9500万ドル(約595億円)の利益を生み出したのです。
と、ここまでは大サクセス・ストーリーとは言え、IT業界ではときどきある話ですが、さらに続きがあります。
AOLに買われたBeboはその後急激に価値を落とし、利用者もFacebookやTwitterなどに流れて激減しました。その結果、売却が完全閉鎖しかないという決断に追い込まれたのです。
おもしろいのは今年(2013年)になって、創業者であるマイケル・バーチ氏が100万ドル(約1億円)で買い戻したというところ。
850億円で売った5年後に850分の1の金額で買い戻したという、途方もない現金を得た上に何も失っていない結末となったのです。
この信じられない錬金術に、海外掲示板も大いに盛り上がっていました。
●天才現る?
●安く買って、高く売れ、ウォール街のスタイルだ。
●Beboってだいたい何? 気にしなくちゃいけないの?
●↑イギリスではマイスペースみたいなもんだったんだ。SNSに興味があるなら気になるかもしれない。そうじゃないかもしれない。次に再リリースされたら見てみるといいよ。(2007年3月17日に、アイルランドにおいて最もポピュラーなウェブサイトと公表。2007年9月、アレクサはイギリスにおいて11番目にポピュラーなサイトとして、SNSとしては、3位のFacebook、9位のMySpaceに次いだ。 Bebo - Wikipedia)
●↑釣られているかのようだ。
●↑確かBeboはもっと若い子に人気があったような。
●ここに新しく生まれ変わったBeboの動画があったよ。見てよかったと思えるよ。
●↑プライバシーポリシーに関して、アンチFacebookみたいな約束をしてくれたら登録するんだけど。
●↑口座に8億5000万ドルも持ってりゃ、売らずに済むし本物じゃないか。
●↑ザッカ―バーグは売らなくちゃいけないし、お金もいるだろうしね。
●↑だいたい掲示板に上がってきただけで、すでに興味を示し始めるだろ。
●↑うまくいくかだって? ポケットに8億4900万ドルあればそんなこと気にならないだろ。
●ちょっとAOL、オレにも8億4900万ドルくれないかな。
●↑もうAOLには8億4900万ドルも残ってないと思う。
●↑そもそも、いったいどこからそんな金が出てきたんだ。
●↑AOLは、Huffington Post、エンガジェット、Joystiq、さらにいくつかのWEBサイトを所有しているよ。
●むしろ100万ドルは払いすぎだろ。
●↑さすがに8億5000万で売ったら、かわいそうになってそれくらい払ってあげるだろ。
●どっちかっていうとリサーチや予測をして、このサービスの取得を決めた人に興味がある。
●AOLに感心。しかもまた買い戻させたことにも感心。8億4900万失ったんだ。最後の100万ドルもなくなったっていいとオレなら思う。
●↑どっちかっていうと、「WEBサイトにもう何の価値もなくなった。だが誰かが100万ドルで買うって言ってるぞ。じゃあ売ろうぜ」って感じだと思う。
●AOLは、とにかく競争相手よりもビッグスタートして、その後、考えられないほど凋落していくというシンボルになっている。
この業界の5年後を予測するのが、いかに難しいかを痛感しますね。
さて、2018年のインターネット勢力図はどうなっているのでしょうか。