無数の手形に圧倒される…古代人が描いたアルゼンチンのラス・マノス洞窟の壁画
壁一面に残された無数の手。
これは南米アルゼンチンのラス・マノス洞窟の壁画で、今から2500年も昔(紀元前550年頃)に描かれたものだそうです。
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ラス・マノス洞窟はアルゼンチン最南端のサンタクルス州に位置し、あたりは岩壁や渓流に囲まれた土地です。
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洞窟の入り口。
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洞窟に入ると、壁には無数の手形がくっきり。
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絵具に鉱物が使われているため、数千年の時を経ても風化していません。
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手形のほとんどは左手で、右手(利き手)に持ったパイプで塗料を吹きつけたとみられています。
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この辺にもうっすらと手形が。
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手形には2種類あり、壁に手をつけた周りに塗料を吹き付けるネガ、直接手形を吹きつけたポジがあります。
ネガは紀元前550年頃、ポジは紀元前180年以降と推測されています。
ではなぜ先住民たちは、こうした手形を残したのでしょうか。
若くて近い年齢のものばかりであることから、聖地であった洞窟での成人の儀式というのが有力な説だそうです。
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動物の狩りの壁画はさらに古く、最古のものはなんと9000年前に描かれたとのこと。
つまり現代と手形の時代の差(約2500年)よりも、手形と動物画の時代差の方が大きいということになります。なんだか歴史の壮大さを感じますね。
ラス・マノス洞窟(クエバ・デ・ラス・マノス)は、1999年にユネスコ世界遺産に登録されています。