科学者が死亡告知を残す「実は博士号を持ってませんでした」→世間「えっ!?」
欧米では人が亡くなると、新聞紙面などに「死亡告知」(オビチュアリー)を掲載する慣習があり、一般的には身内などが故人の業績や簡単な紹介をします。
ところがアメリカ・ユタ州の科学者は、あらかじめ自身の死亡告知を準備していたそうで、しかもその内容が「実は博士号を持っていなかった」という告白だったことから、話題を呼んでいます。
Utah Man Comes Clean in Self-Penned Obituary - ABC News
喉頭ガンを患い59歳で亡くなったヴァル・パターソンさんは、ソルトレイクシティで科学者として仕事をしてきました。
告知の内容は、博士号どころか大学も卒業していないこと、学歴のほかには1971年に宿泊したモーテルの金庫を盗んだことも告白しています。
本人は常にユーモアを意識した人生を送ってきたと述べ、最後の死亡告知もユーモアの一環であり、生前に本人が書いたとのことです。
学歴は亡くなるまで誰にも知られなかったことや、大学から手違いで博士号が送られてきたのが発端だったと述べています。
一緒に働いてきた電子技師たちには、「申し訳なかったけれど、それでもみんなをよく笑わせたことや、自分のデザインしたものがよく機能し、設計できたことは認めてくれると思う」とつづっています。
この件に関してはパターソン氏の母親さえも知らなかったといい、彼のいつものジョークだと思ったと語っています。
大学側では、ミスによるものでも彼に博士号を送った記録はないとしています。大学には2学期分だけ出席した記録が残っているとのことです。
この告知はいろんな意味で反響があったようで、海外掲示板には多くのコメントが寄せられていました。
●「一番の後悔は、悪いとわかっていながらタバコをいくら吸っても無敵だと思っていたこと。ひどいことに、たわいもないことを笑い合ったり、幸せな言葉をかけあったりしながら一緒に歳を重ねていくという、妻の時間まで奪ってしまった」
なかなかパワーのある言葉だね。
●今日、自分はPh D(博士号)が何の略であるか知らないことを知った。
↑「Doctor of philophy」(哲学博士)の略で、高等な学問として広い意味で使われた「Ph.」が「D」の前に来ているのは、ラテン語である「Philophiae Doctor」が由来のためで、中世にはラテン語が(ヨーロッパの)どこでも使われていた。
↑その答えを盲目的に信頼することにする。
↑100%真実だよ。
●こういう暴露で影響を受ける人がいないか気になる。卒論に影響が出たりね。
↑翌日出そうとしていたエッセイで、この人の仕事をソースにしていたりしたらかわいそうだ。
●大学が間違って博士号を送ってきたら、自分だって使いそうだ。
●むしろシステムの裏をかいて、そのままやってこれたことに感心する。こういう話は割と好きだな。
●かなり悪いヤツだと思う。
さすがに亡くなってからとはいえ、その影響や波紋は大きいようで、是非について議論が盛り上がっていました。
墓まで持って行かれた、誰にも知られない秘密というのは結構あるのかもしれません。
a scientist from Utah used his obituary to confess