「大手レビューサイトがレビュー評価を金銭と引き換えに変更することは合法」との裁判結果→批判が続出
何かを購入したりお店を利用する際に、ユーザーによるレビューや口コミを参考にすることが増えたと思いますが、気になるのがその信頼性です。
世界25カ国で1億2000万人以上が利用する、世界最大の口コミレビューサイト「Yelp」(イェルプ)が、金銭と引き換えにビジネスレート(評価)の変更をしてよいと、アメリカ・サンフランシスコの裁判所が判決を下したことがニュースになっていました。
レビューの信頼性を揺るがすこの結果に対する、海外の反応をご紹介します。
Yelp Now Has Court Permission to Change Business Ratings for Money. Don't Forget It.
YELPはローカルビジネスディレクトリサービスおよびソーシャルネットワーキング機能を兼ねるレビューサイトで、主な収益はビジネスオーナーからの広告により成り立っています。
レビューは誰でも書ける仕様になっているため、(他のレビューサイトと同様に)それ自体の信頼性も問題視されていますが、さらに運営サイドが独自にレビューを操作していると以前から批判の声が上がっていました。
広告を出さないビジネスオーナーは、5つ星のついたレビューを消されたり、ネガティブなレビューが目立つような不利なコントロールをされると脅されていることに対し、不当であると裁判を起こしていました。
ところが先週、サンフランシスコ裁判所が「YELPがレーティングを操作する行為は法的に問題は無く、脅迫にあたらない」との判決を下したのです。
この結果に対する、海外掲示板のコメントをご紹介します。
●初期からのYelp利用者で自分でもレビューを何度かしてきた。そんな自分でも認めるのが、そもそも一般のレビューがゴミのような状態だ。自分が書いた「よい評価」が特に理由もなくフィルタリングによって外されたのも見てきた。
悪意や操作がなくとも多くの人は食事のレビューやレートの付けかたを知らない。これが理由で地元のデニーズが5つ星で、すばらしいイタリアンや寿司の店が4つ星どまりになるんだ。だからレビューはもともと良いアイデアだったが、今ではもうゲームみたいなものになっている。
アマゾンの星の付きかたも同じ問題をかかえている。どんな製品も、どんなひどくても5つ星がつき始めることがある。xkcdがそれをコミックにしてるよ。
↑両極に働くね。ホテルを探しているとき、たとえば1つ星の悪いレートが目立っていて、中身を読むと「モーニングコールを6時にしてねと言ったのに、6時2分にしてきた。最悪のホテルだ」みたいなレビューがある。
↑あるある。レストランの悪いレビューで、「メニューにないものを頼んだらやってくれなかった、ひどいカスタマーサービスだ」と1つ星だった。
↑自分のお気に入りはアマゾンのレビューで、「配達に6日もかかった、アマゾンは最悪だ」とかで、製品のレビューはなし。
↑それは「この製品はよさそうだ。試すのが楽しみだ」よりは、ましだぞ。
↑それで1つ星だぞ。
↑自分がイライラするのは本のレビュー。多くの1つ星は「この本は自分のKindleで動かない」。バカかよ。本のレビューをしろよ。お前のテクノロジーサポートじゃないだろ。
↑ディスニーのホテルで、「子供が周りに多すぎる」ってのもあった。
●思っているよりひどい状態だよ。うちのクライアントの多くはYelpのアカウントを削除しようとしている。するとYelpは悪いレビューを取り除くよとオファーをしてくる。ほとんどのネガティブなコメントやレビューはどこから出てくるのかわからないフェイクも多い。しっかりしたビジネスを営むオーナーはそれを拒否する。なぜかというと良いレビューのほうがめちゃくちゃ多いからだ。ところがYelpのオファーを拒否したとたん、ひどいコメントがあふれるようになる。間違いなくYelpが詐欺運営をしていると思うね。
●YELPをレビューするアカウントは作れないのかな?
↑いちおうYelpはYelpページもあるよ。非常にひどいレートだが気にしていないようだ。
●自分はYelpでレビューされているビジネスを10年くらい営んでいる。
1年くらい前にYelpから広告のディスカウントメールが来た。自分はそれを試してみた。そうすると自分のビジネスのレートが、3.8から4に上がり、広告を出す前は20位だったビジネスが3位に上がった。
もちろんそうなるとは誰も示唆もしてなければ、言われてもいないが、その広告を出したことで明らかに自分のレートは上がった。ビジネスオーナーとしてはありがたく、自分が出した広告料は無駄にならなかったと思う反面、自分が休暇のときには客としてはもうYelpを使わない。
↑自分はそれと逆バージョンのストーリーだ。
うちの家族は小さなレストランをありふれた観光地で30年営んでいる。いつも4.5くらいのレートを保っていたが、数年前にYelpから連絡が来てWEBサイトに広告を出さないかという話だった。別のところに予算を使っていたので、かなり強引に頻繁に電話がきたが毎回断っていた。すると次の数か月で、それまで付いていた多くの5つ星レビューがフィルターされたところに行き、多くの良いレビューが消えていき、やがて平均4まで落ちた。Yelpの営業はフィルターをされるレビューは彼らにはコントロールはできず、全て自動化されたアルゴリズムにより動いていると説明していた。
だけどYELPでレートが操作されているのが明確になり始めた。5つ星のレビューで同じレビューワーが書いた同じレビューなのに、うちのページのものはフィルタリングされ、広告を出している別の会社はそのまま残っていた。
Yelpが客と店をつなげてくれたり、客のレビューを載せてくれることはありがたいが、Yelpがレビューのために金をとってないと否定できないと思っている。簡単な解決法としては、単にあきらめてYelpに広告を出せばいいんだが、どうもこの詐欺師どもに金を払う気がしない。
●もう数年は役に立ってないよ。とにかく信用できないんだ。自分はかなりお気に入りの自動車メカニックのレビューを投稿したんだ。すると全く自分には理解できないが、それを取り除かれたんだ。そのメカニックに対する自分の意見は間違っているということらしかった。
●YELPの代わりってないの?
●さようならYelp。ちょっとやりすぎたね。
↑一般人は気にもしないさ。わかっちゃいない。それでもスマホを開いて、ああ、この店は2.4だな、飛ばすべきだなとかやってるよ。
●いいんだよ。数年前から誰ももう敬意なんか払っていない。Yelpはすでに一番支払いのいいビジネスに操作されている。企業にそこのサイトを買わせればいいんだよ。われわれは他のところに行くだけだ。彼らがくるくると自分らでトラフィックのないサイトを回している間にね。
ユーザーレビューの信頼性の問題は、さまざまなサービスでも言われていることですが、運営側によるコントロールが合法と認められるとなると、信頼性は根底からゆるいでしまいかねません。
レビューそのものは便利なだけに、信頼性を上げるよい仕組みが生まれることを期待します。
Yelp Now Has Court Permission to Change Business Ratings for Money. Don't Forget It.