130年前に来日したイタリア人が撮影した日本…明治維新直後の息遣いを感じる写真いろいろ
江戸時代が終わり明治時代が始まったのが1868年。それから5年後の1873年、イタリア人写真家のアドルフォ・ファルサーリ氏が来日し、1880年代に横浜で写真館を開きました。
写真に色が付いているのは、外国人向けの土産写真とするためで、日本の熟練した職人によって1枚1枚丁寧に塗ってあります。
明治維新真っただ中の日本を、イタリア人ならではの視点でとらえた写真の数々をご覧ください。
1.
水位の下がった川底から。
2.
芸者さんたち。
3.
何かの祭事と思われる行列。
4.
屏風の前で。
5.
女性2人を乗せた駕籠(かご)。
6.
傘職人。
7.
屋形船。
8.
調理風景。
9.
人力車。
10.
京都市の四条通。
フランス人画家のルイ=ジュール・デュモランは、ファルサーリ氏の写真をモチーフに鯉のぼりを付け加えた絵を描いています。
11.
金閣寺。
12.
港の風景。
13.
「士官の娘」と題されたポートレート写真。
14.
横たわる女性。
15.
盆栽。
16.
タバコをふかす女性。
17.
美しい庭園。
18.
3人娘。
19.
籠職人。
20.
添い寝する2人の女性。
21.
紋付き袴の花婿と、白無垢の花嫁。「祝言」の写真。
22.
田子の浦から見た富士山。
百人一首、山部赤人の歌そのままですね。
「田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける」
現代語訳:田子の浦から(富士山の見えるところまで)出てみると、富士山の高嶺には真っ白い雪が積もっている。
観光客向けの写真であることや、1枚の撮影に5秒〜15秒程度かかったことを差し引いても、イタリア人の目に写った1880年代当時の日本の様子が伝わってきます。
現代のCG技術を駆使したと言われても違和感がないくらい、彩色職人の技術が光っていますね。
1841年に北イタリア(当時はオーストリア帝国の支配下にあったロンバルド=ヴェネト王国)に生まれたアドルフォ・ファルサーリ氏。1863年に渡米、奴隷制に反対して南北戦争の北軍に従軍したあと、1873年に来日しています。
Photo Credit:1886 - Japon - Adolfo Farsari