アメリカの医療崩壊はここまできた…刑務所で治療を受けるため「1ドル」を銀行強盗
医療崩壊が叫ばれているアメリカでは、あまりの医療費の高さから病院に行けない人が増えています。
(参照:「もうこんな国いやだ…」アメリカで請求された恐ろしく高額な医療費14例)
そのアメリカで、刑務所の医療を受けることを目的に、わざわざ犯罪に手を染める人が現れたと海外メディアが報じています。
James Verone: Medical Motive for his $1 Bank Robbery - ABC News
ジェームス・ヴェローン容疑者(59歳)は、銀行の窓口で1ドルを要求するメモを渡すと、のんびりソファーに座り警察の到着を待っていました。
動機はただひとつ。医療を受けるためです。
ヴェローン容疑者は、17年間務めたコカ・コーラ配達の仕事を失い、職を必死で探すも小さなパートタイムの仕事しか見つからず、それもすぐに失職すると、貯金を切り崩し、支給される食糧でぎりぎりの生活をしていました。
持病の腰痛がひどくなり、左足の痛みで足を引きずって歩いていました。胸には「しこり」もできていました。その痛みが堪えがたいものとなると、どうにかしなくてはいけないと考えたのです。
もちろん強盗という最終手段に出る前には、他に方法はないか、いろいろ当たってみたそうです。
銀行はランダムに選び、最後の家賃を支払い、持っていた家具は寄付しました。そして実行の日、1ドルを要求するメモを窓口に見せて、ゆっくりと警察を待ったのです。
ヴェローン容疑者は「恐れることは何もなかった」と述べています。「健康を失うと何もないんだ」と付け加えています。
現地の法律では強盗は3年以上の刑ですが、もし窃盗とみなされると12か月以下の刑となることから、裁判の結果を待っているところです。
ヴェローン容疑者は「もし刑が短すぎるようなら、また強盗をするだろう」と語っています。
海外掲示板には、この医療問題が引き起こしたニュースに、多くのコメントが寄せられていました。
●自分も悩むときがあるよ。ホームレスになって無料の医療を受けるのと、刑務所へ入って面倒を見てもらうのと、どっちを選ぶだろうとね。
↑「完全なセキュリティが欲しいなら刑務所に行くといい。食事、服、医療が与えられる。ないものと言えば自由だけだ」―アイゼンハワー
↑きっとインターネットも速いに違いない。
↑これはシンプルなことなんだ。実際、簡単すぎるんだ。自分はボルチモア(メリーランド州)に住んでいる。ヘロイン王国さ。刑務所のシステムで働く人をたくさん知っている。ここはホームレス用のシェルターなどはあまり多くない。
なので寒い冬場は、靴下を盗んだというようなバカな罪で刑務所へ行って暖を取る。刑務所のナースとして働く母親は、人の良い囚人が去るときは喜ぶんだが、彼らは「また一週間で戻るよ、自分には誰もいない」と言うそうだ。
自分はその場にいないが、母親の目が自分がそこにいるかのように訴えていた。社会システムを変えないといけない。検察は有罪判決の記録の数を自慢しているが、もっと罪の深いところを見れば、弱いところを突いているだけにすぎない。ボルチモアの刑務所は無料の食事とシャワーを求める大勢のホームレスだらけだ。アメリカのシステムは壊れている。
●本当に馬鹿げている。犯罪者になって刑務所に入るほうがまともなケアをしてもらえるアメリカの医療システムに、神のご加護がありますように。
↑刑務所に入るほうがハーバード大学に入るよりも、金がかかるんだ。
●どんでん返し:刑務所で彼はガンではないことを知った。
●かわいそう。一般の医療システムがない国を先進国と呼ぶべきじゃないと思う。
↑無料の医療システム、無料の教育は、基本的人権だと思う。
↑毎回この手のクレイジーな話を聞くたびに、後進国かアメリカの話だよなと思うよ。
●アメリカは情けない医療システムだ。一般人への医療はそんな難しいものではない。
↑上院を通すのが難しいんだよ。
●自分はニュージーランドに引っ越したよ。アメリカの医療、労働法が変わりつつあるからだ。そして自分は正しかった。ここではみんなに医療がある。ときどきいつかアメリカに帰るのかと聞かれるが、「ノー」と即答してる。その理由は、医療、労働法、そして躍起になっている警察だ。
●自分も刑務所へ行くほうが、病院の請求で追いかけられるよりもいい。彼らは犯罪者よりたちが悪い。
●アメリカ人を気の毒に思う。
いつか医療システムが改善されることはあるのでしょうか。
アメリカ以外の国からは、同情の声ばかりが目立っていました。
TIL a man robbed $1 from a bank so he could be sent to prison and receive medical care.