25年間ひとりで歌い続ける孤独なクジラ「52」…発見プロジェクトが開始
クジラは歌によって仲間とコミュニケーションを取ったり、仲間の位置を探ることで知られています。
ほとんどのヒゲクジラ類は15〜25Hzの周波数で歌いますが、25年前から1頭だけ52Hzで歌い、誰からも返事が返ってこない孤独なクジラの存在が確認されています。
写真は「ザトウクジラ」
ただ1頭だけ52Hzで歌うことから「52」と呼ばれるようになったこのクジラですが、実は1度も目撃されたことはありません。
でも存在していることは確かであり、その理由は「52が歌い続けているから」。(最初に声が確認されたのは1989年)
北太平洋で12年間にわたり追跡調査してきた科学者たちは、間違いなくヒゲクジラの仲間であり、新種のクジラの可能性はまずないだろうと主張しています。
※ヒゲクジラ類はシロナガスクジラ・ザトウクジラ・ミンククジラなどを含む、ハクジラ類とならぶ現生のクジラ類を2分する大グループの一つ。
(ヒゲクジラ亜目 - Wikipedia)
しかし他のクジラたちとはまったく異なる周波数で歌っているためか、1頭たりとも52に応答している形跡はないのです。
また、52の回遊ルートも、他のクジラ達とはまるで異なっているそうです。
映画プロデューサーのジョシュ・ゼマン氏は、「世界で最も孤独なクジラ」と呼ばれる52を探し出すプロジェクトを立ち上げました。資金調達が成功次第、20日間の捜索を開始する予定とのことです。
はたして52が孤独で寂しい存在なのか、それともひとりの自由を謳歌しているのか、もうじき明らかになる日がやってくるかもしれません。
52-hertz whale - Wikipedia, the free encyclopedia