「今では考えられない…」中世ヨーロッパの図書館が本を盗まれないように行っていた仕組みがこちら
15世紀にグーテンベルクが活版印刷技術を確立するまでは、 ほとんどの書物は手書きによる写本であり、それはそれは高価なものでした。
そのため中世ヨーロッパの図書館では、本の亡失・盗難を防ぐために、非常にわかりやすい手法を採っています。
いったいどんな方法かというと……。
答えは「鎖でつなぐ」!
中世ヨーロッパの書物の大半は宗教(キリスト教)関係のものでしたが、修道院の図書館では本の厚紙に鎖をつけ、机や本棚に固定することで紛失を防いだそうです。
「鎖付図書」“Chained Library”と呼ばれています。
1.
こちらはイギリス西部にあるヘレフォード大聖堂の図書館。
当時の姿を残す鎖付図書館としては最大。
現存する本の多くは、歴史的な状況を保存するため再発行されたレプリカ。
現在も営業(有料)しているとのこと。
2.
イギリス・カンタベリーにあるウィンボーン・ミニスター教会の図書館。
3.
イギリス・グランサムにあるフランシス・トリガ図書館。イギリス初の公共図書館だそうです。
4.
イギリス・ギルフォードにあるロイヤルグラマースクール図書館。
5.
こちらはオランダ・ヘンダーラント州のズトフェンにある図書館。
分厚くて重い本は、書架に置いた状態で読むため、鎖も短くなっています。
少し軽めの本はそれなりの長さ。
6.
イタリア・チェゼーナにあるマラテスティアーナ図書館。ヨーロッパ初の自治体の財産を公に開放した図書館であるとのこと。
物々しさから、当時の本にどれだけの価値があったのか伝わってきます。
ここまで厳重なのは、貴重なのはもちろんのこと、聖書などが紛失することで教会の威信に傷がつくことも恐れたのかもしれません。
The Last Surviving Chained Libraries