3億円をだまして捕まった詐欺師、刑務所からスマホで偽の釈放メールを送る→まんまと脱獄に成功
一流の詐欺師というのは、どんな状況であろうと人をだますことに長けているようです。
イギリスで、銀行員になりすまして3億円以上の大金をだましとった詐欺師の男が捕まりました。
ところがこの男、なんと刑務所の中から偽のメールを裁判所の職員に送りつけ、自分を釈放させることに成功したというのです。
いったいどんな脱獄手口を使ったのかと言うと……。
脱獄に成功した詐欺師の名前は二ール・ムーア(28歳)。
そもそもの捕まっていた理由ですが、大手の銀行員になりすますなど、など複数の偽名を駆使して大規模な組織を説得し、複数の銀行から181万9000ポンド(約3億2000万円)をだましとったというもの。
その時の手口も、はじめに男性の声で電話を受けたあと「担当に変わる」と言って女性の声色で話すなど、非常に巧妙なものでした。
女性の演技があまりに迫真だったことから相手はまったく気づかず、警察は当初、配偶者であるクリスティン・ムーアを共犯だと疑って起訴していたほどです。(後に彼女の起訴は取り下げ)
ニール・ムーアは、この詐欺を含め8つの罪で起訴され、イギリスでもっともセキュリティレベルの高い刑務所のひとつである、ワンズウォース刑務所に収監されました。
さて、ここからが今回の脱獄劇。
ひそかにスマートフォンを入手したムーアは、裁判所のメールアドレスに酷似した“@hmcts-gsi-gov.or.uk”というドメインを取得し、偽のメールアカウントを取得します。
(ちなみに本物は“@hmcts.gsi.gov.uk”)
そして、まるで裁判所の書記官からの指示であるようなふりをして、刑務所の職員宛に「ニール・ムーア」の釈放が決定したという通知を送りつけたのです。
こうしてすっかりだまされた刑務所の職員は、2014年3月10日にムーアを釈放。正門から堂々と脱獄することに成功したのです。
この前代未聞の脱獄劇が発覚したのはそれから3日後。ムーアの弁護士が接見に訪れたことで、はじめてムーアの不在がおかしいことに気がついたのです。
ただしその3日後にムーアは自ら出頭してきたそうで、元の8件の罪状に加え、この脱獄に関しての罪も認めています。
大胆不敵な反攻のわりに、あっさり戻ってくるあたりは、罪を逃れることに対しては無頓着なのかもしれません。
詐欺そのものに魅力を感じているというか、自分の知能を試すゲームでもしているような感じもしますね。
4月20日の公判で、刑が言い渡される予定とのことです。
Convicted fraudster escaped from prison with faked bail email