参加者は仲間ばかり…!ニート・フリーター限定の就活イベントを覗いてみました
特別な理由もなく、好きでニートやフリーターをしている人なんて、まずいません。
圧迫面接や理不尽な入社試験、就業してみたらブラックだった、やりたい仕事がわからないなど、正規雇用に至らなかった事情は人それぞれあるものです。
しかし非正規雇用だと肩身の狭い日本社会。できれば自分に合った会社で正社員になりたいものですが、職歴なしでは門前払いされそうだし、面接でも嫌な思いをしそうで、なかなか踏み出せないものです。
そんな悩みを抱えたニート、フリーターのために、東京都が非正規雇用者限定の就活『 若者正社員チャレンジ事業 』を発足。
そこで一体どんな就活が行われているのか、合同企業説明会の取材に行ってきました。
職歴なしでも安心して就活できる「若者正社員チャレンジ事業」って?
この『若者正社員チャレンジ事業』は、働きたいけど色々な事情でニートや非正規雇用となっている若者に、正規雇用の道を開く、東京都とインテリジェンスによる合同事業。
簡単に言ってしまうと、 正規雇用で働きたいニートやフリーター限定の就活イベント。 もちろん参加に費用はかかりません。
普通の就活だと職歴がどう評価されるかが気になって、ついつい足取りも重くなってしまいがちですが、 ここでは参加者がみな同じ条件なので、そんな心配をする必要はないのです。
ちなみに参加できるのは、29歳以下で、卒業後3年経過していることがまず必須。そして直近2年以内に、正社員の職歴が通算1年を超えない人のみ。
一般的には就活が厳しいと言われる条件ですが、逆にここではそういう人を求める企業しかいないのです。詳細はこちら。
じっくり企業を見定められる、最大20日の企業内実習…最大10万円の手当も
若者正社員チャレンジ事業の全体の流れがこちら。
長くフリーターやニートを続けていると、自分に自信が持てなかったり、不安から過度に緊張してしまいがちですが、この事業では事前にカウンセリングやセミナーで、不安や緊張を解きほぐしてくれます。
そして合同企業説明会で気になる会社を選び、実際にその会社の中で最大20日の企業内実習を受け、最終的に応募をするという流れ。なお実習中は、最大10万円の手当が支給されます。
何しろ面接だけでは、お互いに上辺しかわからず、実際に勤めてみるとイメージと違った…なんてよくあること。
しかしこの事業では実際に気になる企業と実習で15〜20日間も接するので、面接の何十倍も深くお互いを理解でき、ひいては長くつきあえる会社が見つけやすいのです。
他の就活とはどこか雰囲気が違う…合同企業説明会を取材してきました
では実際にどんな雰囲気で事業が行われているのか、都内で行われた合同企業説明会を取材してみました。
この日の参加企業は8社、参加者はおよそ30名ほど。…みんなビシッとスーツで決まってる!
まずは各社から、簡単な5分間のプレゼンタイム。
参加企業はIT系が3社の他に、広告代理店や福祉設備施工事業、またM&Aやコンサルティングなど、フレンドリーな企業からハイレベルな企業まで、色々な企業が参加していました。
見てて感じたのは、説明がどことなくフレンドリーで、そしてわかりやすい!就活独特の緊張感が薄く、とても和やかな雰囲気がいい感じです。
また企業内研修で何をするのか、どんな体験ができるのかなども紹介。
ちなみにしたい仕事がハッキリしていない参加者が多いそうで、このプレゼンで知らなかった仕事を知り、興味を持つ人も少なくないのだそうですよ。
そして各社のプレゼンの後は、各企業ブースで15分間のコミュニケーションタイム。
各社のブースで私も一緒になって聞いていましたが、緊張気味の参加者に対して、企業側はやんわりとフレンドリーな口調で、張り詰めたような空気はほとんどありません。
いいなぁ、この雰囲気…!
参加企業は中小企業が多いのですが、じっくりと話を聞いてみると、面白そうな仕事や好待遇の仕事もいろいろ。
中小企業だと経営者の個性が強く出がちなだけに、相性が気になるところですが、こうして話すだけでも結構雰囲気がわかるのがいいですね。
こちらの会社は、この若者正社員チャレンジ事業で就職した社員さんも来ていました。
こちらの会社はとても個性的な雰囲気の社長さんでしたが、見ていると二人の相性はとても良さそう。
まだ入社後1か月も経っていないそうですが、企業内体験でお互いをしっかり知っての入社なせいか、まるで長い付き合いのような打ち解け具合が、ちょっと羨ましく感じちゃいました。
15分のコミュニケーションタイムが終わると、簡単なチェックシート式の自己アピールを提出。
説明会では5社とのコミュニケーション時間があり、最後に第三希望までの会社を選択。
最終的に企業の希望とマッチングし、15〜20日間の企業内実習に挑んで企業の中を実際に見て、それから実際に就職するかを決める流れになるそうです。
コミュニケーションが苦手でも大丈夫、お互いにじっくり中身を見定めよう!
大学での就活などでは、企業と接する時間が短く、その中でいかに自分をアピールできるか、言ってみれば世渡り上手な人が有利なもの。
私も今まで色々な人を見てきましたが、実は面接で落とされがちな人ほど、実は本当に実力があったり仕事に真面目な人、職人タイプが多いんですよね。
でも今回の合同企業説明会を見ていて感じたのは、企業内実習で参加者を深く知ろう…という企業や主催者の姿勢。
単なる上辺でなく、本当にお互いにとって利益のある企業を探すには、とてもいい場ができているようでした。
相性のいい会社に出会えれば、悩みも少なく、仕事も遊びもより楽しみやすいもの。今ニートやフリーターだからと諦めず、じっくりと生涯付き合える会社を探して、楽しい人生を目指したいものです。
ちなみに夏ごろには、サイトの大幅リニューアルも予定しているそうですよ。