プラシーボ(偽薬)効果は、年々上がっているという研究結果…ただしアメリカ人に限る
プラシーボ(プラセボ)とは、偽薬を本物の薬だと思い込むことによって病状が改善する治療効果を言います。
さまざまな研究や実験が行われていますが、近年では特に「痛み止め」の分野で、効果が強くなってきていることが判明しています。
ただしそれはアメリカに限ってのこと。
Strong placebo response thwarts painkiller trials
ネイチャーの記事によると、本物の鎮痛剤の代わりに偽薬を使用しても強い効果が認められ、なんと偽薬でも本物の新薬と同等の効果が出ていることが明らかになったそうです。
ただし、それはなぜかアメリカ人だけに当てはまります。
実験は84のクリニックで、1990〜2013年の間に慢性の痛みの治療と称して実施されました。
薬によって痛みが緩和する比率は過去23年において変わりませんでしたが、プラシーボ効果は上がっています。1996年の結果では、プラシーボより本当の薬のほうが効いた人は27%いましたが、2013年には9%まで下がっています。
同じ実験で、ヨーロッパやアジアや他の地域では変化はなく、アメリカだけがプラシーボ効果が大きくなっているのです。
この結果に対する、海外掲示板の議論をご紹介します。
●これはテレビで薬を宣伝していることが関係しているのではないかな。
アメリカ人が過去10年間に7時間ほど(薬の)CMを見ていて、ヨーロッパ人は1度も見たことがない。アメリカ人は薬に対する姿勢が無意識のうちに修正されている可能性がある。それ以外の要因があるとは思えない。
↑国民としてどんどん暗示にかかりやすくなっているのか。
↑暗示にかかりやすく、ではなく、バカにだ。
↑宣伝の形態が大きいと思う。感情に訴えるアピールで、感情は脳構造で無意識のうちに加工される。
↑インドのことはわからないが、カナダやヨーロッパは製薬会社が直接消費者に売り込むことはできない。
↑イギリスでも頭痛薬などのコマーシャルはあるよ。だが処方される薬はない。ただし処方箋の薬は医者たちに売り込まれているようだけどね。
↑処方箋の薬を宣伝できるのはアメリカとニュージーランドだけという事実はすごく邪悪だ。なぜ世界をリードする薬を持つのに、医学の知識のない患者へ製薬会社が直接アピールするのかわからない。医者や訓練されたプロに選択をまかせるべきだろう。
●消費者への宣伝が何を示唆するのか考えたこともなかった。単に愚かで奇妙な資本主義の副産物で、宣伝の部分はトレンドだと思っていた。他の国では違法で、アメリカではそうではないというのは啓蒙になる。
↑資本主義の産物ではないよ。わが政府のシステムによる独占の産物だ。
↑昔はアメリカでも違法だったよ。国会議員たちが強欲になったんだ。製薬会社から彼らに回るお金はばかげている。
●まるでアメリカ人の痛みが身体的ではなく精神的みたいだな。あまりに医療費が高いので、専門の人からの提案に感受性が強いことも理由かもしれない。お金が無駄になると思いたくはないからね。
興味深い結果ではありますが、アメリカ独特の医療事情がからんでいるようです。
とりあえずプラシーボでも効果があり、痛みが軽減できるのであれば、それはそれでありな気もしますが。
The placebo response is getting stronger in painkiller trials - but only in the US