「もっと評価されるべき」外国人の多くが評価するカップうどん、偏食傾向の強いあの国では受け入れられる…?イギリス人の反応
東洋水産が行った、カップうどん・そばを食べたことのある日本在住の欧米系外国人を対象にしたアンケート調査によると、『カップうどん・そばはもっと評価されるべき』『日本を訪れる外国人に勧めたい』という意見が、それぞれ実に60%以上も占めることが明らかになりました。
しかしその調査結果を見たイギリス在住のライターが、「でもこっちでは、そんなに受け入れられないと思うよ」とポツリ。詳しく聞くと、イギリスは食の意識が日本とは大きく異なり、偏食の人がかなり多いのだそう。
そこで食べた外国人の多くが支持する日本のカップうどんを、偏食の人が多いイギリス人が食べるとどんな反応をするのか…?実際に試してみました。
食べた外国人の6割が高く評価した日本のカップうどん・そば…決め手は和食の柱“だし”
今年の8月、東洋水産が3か月以内にカップうどん・そばを食べた日本在住の欧米系外国人を対象にアンケートを行い、その結果がリリースされました。
カップうどん・そばを食べたことがある外国人男女100人に聞いた“だし”に関する意識調査 - @Press
アンケート項目は色々とあったのですが、その中でも興味深かったのが、カップうどん・そばが好きな理由で、「“だし”が美味しいから」が85%にも達していたこと。
日本は、かつお節や昆布などの魚介だし、いわゆる『うま味』を古くから認知し、世界で初めてうま味調味料を生み出した『うま味先進国』。ですが、欧米では近年こそ第五の味覚“UMAMI”としてようやく認知されつつあるものの、最近までその存在自体が認められていませんでした。
それだけに、日本在住の欧米系外国人の多くが「“だし”が美味しい」と答えたことは、嬉しい驚きでした。
また別の設問では、
「カップうどん・そばはもっと評価されるべきだ」「日本に来る外国人に食べてみて欲しい」
との意見がそれぞれ実に60%を超えるという結果に。
“だし”に馴染みのなかった外国人の多くが、“だし”の効いたカップうどん・そばを高く評価してくれたなんて、日本人としてこんな嬉しいことはありません。
…ところが、たまたまイギリス在住のライターとこのアンケート結果の話になったところ、 「でもイギリスは食文化が独特だし、偏食の人が多いから、そこまで受け入れられないと思うよ」 とポツリ。
せっかくの結果に水を差す一言にちょっとムッとしつつも、そういえばあまり知らなかったイギリスの食文化、せっかくなので色々と聞いてみると…それはそれは、日本とは大きくかけ離れたものでした。
無関心、偏食…日本と大きく異なるイギリスの食事情
イギリスを訪れた外国人の食事に対する評判は耳にしたことがあると思いますが、イギリス人が普段何を食べているか知っている人は、あまりいないのではないでしょうか。
2008年に英Times誌が1,400家庭を対象に行った調査によると、なんと 98%の家庭で、普段6つのメニューしか作っていない という衝撃的な結果が出ていました。 ( 参照:イギリスの家庭で一般に作られてる料理は6メニューのみ )
さらにその6つのメニューの内訳は、 ローストチキン(30%)、スパゲティボロネーズ(27%)、炒め物(12%)、ソーセージ&マッシュドポテト(12%)、カレー(10%)、ポークチョップ(7%) と、なにしろ 肉と穀類ばかり。
他のメニューに挑戦しない理由は、 家族が好まない(37%) 、作り方を知らない(32%)、面倒くさい(31%) など。結果を見る限り、 そもそも食に対して情熱がなく、かなりの偏食である ことが伺えます。
またイギリスの食事と言えばフィッシュアンドチップスが有名ですが、海に囲まれたイギリスならさぞ魚料理もバリエーション豊富かと思いきや、魚料理はほぼこれだけ。
他にもスモークした魚なども売ってはいるものの、食べる人は少なく、多くのイギリス人がフィッシュアンドチップス以外の魚料理には馴染みがないそう。
あくまでイギリス在住のライターの行動圏での話なので、全国的に同じなのかはわかりませんが、実際に野菜も魚も食べないなんて人も身近にいるそうで、どうやら日本と比べて偏食の傾向が強いようです。
そんなイギリスの食事情を知ってみると、確かに日本のカップうどんは異文化すぎて、あまり受け入れてもらえないかも…。
でも、食べた外国人の60%以上が高く評価したのも事実だし、実際に試すとどどんな反応をするのか、とても興味深いところです。
初めて食べる、カップうどんの魚介だしのうま味…イギリス人の反応は?
そこで、赤いきつねを日本から空輸し、“だし”になじみのないイギリスで試食イベントを開催してみました。
ちなみに赤いきつねの“だし”は、2種類の異なる特徴のかつお節をブレンドし、さらにこだわりの技術で粉砕したかつお節粉末を加えた、長年水産物を扱ってきた東洋水産のこだわりの逸品。麺の風味に負けない華やかでありながらもインパクトのある味わいが特徴だそうです。
試食をするのは、日本を訪れたことのないイギリス人大学生16名。
なお念のため、宗教上食べても問題がないか、アレルギーが無いかは事前に確認済みです。
見慣れない文字で彩られた初めて見るカップうどんに、大学生たちは興味津々。
最初に試食した4人の大学生がこちら。せっかくなのでお箸にも挑戦してもらったのですが、…両手ですごい持ち方してる…!
味はどうか聞いてみると、一人は魚が苦手であまり箸が進まなかったものの、3人は 「意外とイケる!」 とポジティブな反応でした。
この2人はかなり気に入ったようです。イギリスに売ってるのかな…?
「チキンの香りがする!」
なんて声も。
もちろんチキンは入っていませんが、魚介の香りを知らないとそんな風に感じるのでしょうか?
右の彼女は、ちょっと辛そうだったので魚が苦手なのかと思ったら…
「味はいいけど、麺が苦手でスパゲティも食べられないの」
そんな好き嫌いってあるんだ…!
怪訝そうに食べる右の男の子は、未知の食べ物にかなり怯えていた様子。
でも食べてみると 「…思ったより悪くないぞ?想像してた味と違う…!」 と初めての味に戸惑いつつも、興味深そうに食べていました。
「このスープすごく美味しい!」
と、スープもガッツリいく彼女。
初めての魚介だしはかなり美味しかったようで、飲み干す人が続出!
ちなみに学生たちに普段食べているものを聞いてみると、だいたいピザとかパスタという答えが大半でした。アメリカと似てるんですね。
事前に聞いていたイギリスの食事情があまりにひどかったので、半分くらい美味しいと言えば上々かな…と思っていたこの検証。
ふたをあけてみれば、16人中13人が美味しいと感じてくれたようです。
彼はかなり気に入ったようで、試食後にあまっていた赤いきつねと緑のたぬきをあげると…このゴキゲンな表情!いいですね〜。
“だし”の文化はまだまだ世界に広まっている途中ですが、実際に食べてみれば、その美味しさに国境はないのかも…なんて感じさせてくれる検証結果でした。