「子供の頃ってバミューダ・トライアングルが恐怖じゃなかった?」「あれ、今は?」
バミューダ・トライアングルと言えば、「魔の三角地帯」と呼ばれ、船や飛行機などがその地域で消息不明になってしまう伝説がありました。
その近辺に近づこうものなら二度と帰れない印象を与えるほどで、現代の七不思議として世界中の人々を震え上がらせたものです。
しかしながら最近はあまり取り上げられることのなくなったバミューダ・トライアングル。どうなったのでしょうか。
まず、そのバミューダトライアングルはどこにあるのでしょう。
場所は日本からは遠く、大西洋のバミューダ諸島、プエルトリコ、フロリダの先端を結んだ三角形の海域です。
かつては映画や小説等で、ミステリーの題材として多く出回ったために、この海域を飛んだり、船で通りかかろうものなら、たちまち消息不明になるかのような印象がありました。
近頃はこの海域にまつわる、恐怖心を煽り立てる事件を聞かなくなってしまったことから、「どうなったんだ?」と、海外掲示板で懐かしさ半分、寂しさ半分といった感じで議論されていました。
●自分が子供の頃は、基本的にそこはブラックホールだった。飛行機が上を飛ぼうものなら、空からその渦に吸い込まれるという感じだった。
↑え? そうじゃないの?
↑80年代の子供向けアニメやドキュメンタリー番組は、そんな風に作られているよ。
↑きっともっとひどいんだ……。宇宙人。
↑アニメのせいで本当だと思ってる。
↑確かバミューダトライアングルは、何かのワープ・フィールドだと思った男がいて、それを証明しに出かけたような記憶。
↑僕のようにバカだと、何でも信じられるんだと思う。
↑むしろそうであってほしい。現実は本当に愚かで、計算ができていないだけだ。
実際にバミューダで遭難する船はいくつもあったが、その海域を通る船の数に対しては多くはない。言い換えると同じ割合の船が他の場所でも普通に遭難していたということ。そこを通る船が多かったというだけ。
↑なんてこった。じゃあそれは世界中にリスクがあるってことを意味するのか。
●父はパイロットで、その上を何度も飛んだと言っていた。いつもそれを聞いて、父をなんで偉大なんだと思っていた。
↑去年バミューダに行ったけど、何か質問ある?
↑死にましたか。
↑返事がないのできっと渦に吸い込まれたんだよ。
●それで、結局バミューダに何が起こったの? 何も聞かなくなったよね。昔はアニメの冒険で必ず出てきたのに。
↑GPSが起きたんだよ。
↑正解。
↑意味がわからない。
↑バミューダ・トライアングルはかなり広域で、多くの船が通る。かなり巨大な範囲で、海の小さな場所ではない。なので船が遭難するのも偶然ではなく、多数の船が通過する上に嵐も多いところなのが理由。ところが現在はGPSがある。どの地点で沈んだのかわかると、バミューダ・トライアングルに入って二度と帰ってこられなかった話にはならない。
↑まるで、「交通事故の大半は家から15分以内のところで起きる」と一緒だね。統計の問題である。
●自分はバミューダ諸島で育ったのだけど、それを人に言うとみんながバミューダトライアングルのことを尋ねてくる。「あれは本当のことなのか?」とね。それでいつも「そうだよ、本当だよ。父さんと僕は日曜日によくビーチに立って飛行機が空から落ちてくるのを見たものだよ」と言うと、驚くほど大勢の人が信じていた。
↑ミスター・トライアングル、騙されないぞ。オレは今でも絶対に行かない。
●自分は火山が怖かったな。
↑オレは燃えること。
↑6歳のときは支払えない借金が怖かった。
↑どんな抜け目のない子供だよ。
かつては怖いエピソードが満載だったこともあり、真実がねじ曲がったまま記憶している人も少なくないようでした。
GPSのおかげで位置の確認が容易になりましたが、こうした不思議エピソードの余地がなくなるのは、少し寂しくもあります。
While growing up, the Bermuda Triangle seemed like a real threat for a while there.