骨髄移植を受けた患者に、ドナーのアレルギー体質が引き継がれていたことが判明
花粉症やアトピーなど、アレルギーは現代人にとっての大きな悩み。
骨髄移植を受けた患者に、ドナー(提供者)が持っていたキウイフルーツのアレルギー体質まで移っていたことがわかりました。
Newly acquired kiwi fruit allergy after bone marrow transplantation from a kiwi-allergic donor.
骨髄移植によって、移植を受けた患者にアレルギー体質が移ったのではないかとの報告は過去にもいくつかありましたが、それがドナーから来たという明確な研究結果はありませんでした。
今回ドナーがキウイフルーツのアレルギーを持っていたことで、移植を受けた患者にも確認したところ、同じアレルゲンでのアレルギー反応が確認されたと科学論文雑誌“Journal of the European Academic Dermatology and Venereology”で発表しています。
患者は移植前にアレルギーを持っていなかったそうで、骨髄移植により引き継がれたことがわかりました。
ドナーの細胞を通してアレルギーが移ったことを証明する第一歩となったようで、今後の研究のモデルケースとして研究の進歩につながることが期待されています。
海外掲示板のコメントご紹介します。
●骨髄が何をする器官なのかを考慮すると、完全に納得がいく。
↑そこで白血球を作っているんだっけ?
↑全ての血液細胞が形成されるところ(造血器官)だよ。骨髄にはあらゆる血球系細胞に分化する造血幹細胞がある。
↑何で納得がいくのか教えて。
↑血液細胞がアレルギーを決定するんだよ。そして骨髄が血液細胞を作るんだ。
●バカな質問かもしれないけど、骨髄移植によってアレルギーを緩和できるかわかる人はいるかい?
もし誰かがひどいペットアレルギーを持っていたとして、そのアレルギーのない人から骨髄移植を受けたらそのアレルギーは治る?
↑バカな質問ではないよ。すでにそういう例(ナッツアレルギーが骨髄移植によって治った)があった。ただし効き目がなかった例も出ている。10歳の子供なら免疫システムは変化するに十分な適応性があると推測されている。
通常のアレルギーに利用するのは危険が高すぎて、テストケースは非常に重い子供に限られている。
●骨髄移植を受けた患者は血液型も変わると知られている。
↑血液型がシンプルに変わるというのではない。骨髄と血液のDNAが患者のその他の組織とは完全に異なる。移植された組織はドナーのDNAをキープする。基本的に患者はキメラ(複数の遺伝情報を持つ細胞が混じる)となる。元からあるDNAとドナーからもらったDNAとね。
アラスカでとても興味深いケースがあった。とある女性が暴行を受け、現場に残された体液からデータベースになる血液サンプルを見つけ出した。だが導き出された容疑者はすでに刑務所にいた。しばらくその件は謎に思われたが、刑務所に入っている男は以前に実兄から骨髄移植を受けていたことがわかったそうだ。つまり兄弟2人がまったく同じ血液だった。体液を刑務所に入っている男性の頬の内側の粘液と比べたところ一致せず、その兄弟を調べると一致したそうだ。
過去に似た例があり、移植の前には注意事項として説明を受ける場合もあるようです。
将来的にアレルギー治療につながることを期待したいところです。
Food Allergy transferred to patient following Bone Marrow Transplant.