街に恨みを持つ男、ブルドーザーを魔改造して破壊の限りを尽くす…海外の反応
アメリカ・コロラド州グランビーで起きた「キルドーザー事件」をご存知でしょうか。
街に恨みを持った男がブルドーザーを装甲車のように改造し、工場・市庁舎・警察署など、町中の建物を破壊してまわったのです。
Destroyed In Seconds - Marvin John Heemeyer's Killdozer - YouTube
事件を起こしたのは、自動車修理業を経営していたマービン・ヒーメイヤー。
彼の溶接工場の隣にコンクリート工場を建設する市の計画に、営業妨害や景観を損なうとの理由から反対運動を起こしたのが事の発端でした。
しかしながら訴訟には敗れ、地元の新聞社には反対者を非難する記事を掲載され、いつのまにか婚約者や仲間も離れていきました。
さらに市の抜き打ち検査を受けて業務停止命令を下され、父親が他界するなど、度重なる不遇がマービンを追いつめていったのです。
そして2004年6月4日、マービンは物理的な手段……、改造したブルドーザーを用いて、街への復讐を開始しました。
コマツ製ブルドーザー(D355A)を厚さ1cm以上の鉄板とコンクリートで外装を補強。内部からも溶接され外に出られないようになっていました。
(参照:ノーマルのコマツ製D355A)
手始めに、恨みのきっかけとなったコンクリート工場を徹底破壊。
突入された倉庫。
市庁舎や図書館なども次々に破壊。
溶接されたブルドーザーの中にはテレビモニターが設置され、外部の様子がわかるように。
ライフルも設置されていますが、マービンは(自身を除いて)死傷者はひとりも出しませんでした。
ひっくり返った乗用車。
こちらは警察署。
押しつぶされたパトカー。
警察やSWATが銃や手榴弾を使っても改造ブルドーザーはびくともしないため、より大きな重機で止める作戦に。
重機同士の激突。
結果はコマツのブルドーザーの勝ち。
最終的には、建物破壊中にラジエーターの故障で止まりました。
その損害額は700万ドル(約8億円)と言われています。
マービンはSWAT隊員が取り囲んだ段階で拳銃自殺を図り、破壊活動は終息を迎えました。
このキルドーザー事件に対する、海外掲示板の反応をご紹介します。(キルドーザーの呼称は、同名の小説が由来)
●自分は去年の夏に、事件の起きたコロラド州グランビーに住んでいたが、マービン・ヒーメイヤーは土地の再分割について怒っていたそうで、それが理由で「キルドーザー」が生まれたと聞いた。
↑自分はこの事件があった時に住んでいたよ。5歳くらいだったが、とても混乱していた。自分たちはハイウェイ40から丘の上に住んでいたが、両親は電話連絡でグランド・レイクまで避難しなければいけないと言われた。だがトラックに乗ったまま動かなかった。父親はブルドーザーがやってくるのが見えたら出発するつもりだったが、マービンはハイウェイ40から離れなかった。
●今26歳だが、これが起きたのを昨日のように覚えているよ。急に歳とったみたいに感じる。
↑それはこの手のニュースで見るのに最適な年齢だったんじゃないか? キルドーザーが町を破壊していくのをどの14歳が見たくないと言うんだ。自分は30歳だったが興奮した。
↑それは年齢とともに増すんだよ。
↑そして最後にキルドーザーを作るまではね。
●この再分割でマービンはかなり追い詰められたんだよ。
↑政府は彼の一族が代々所有してきた土地を欲しがっていたようだ。彼に支払えない税金を課したりね。だからキルドーザーが生まれたんだ。
↑良い犬でも何度も蹴ると噛みつくよ。
●悲しい事件だがビデオはすごい。
↑GTAだとこれは4つ星の暴れまわりかただ。
●背景を知ると悲しい。彼の怒りやリアクションは行き過ぎと思うが、それでも彼が受けた不公平な扱いや政府の腐敗に対する彼のクレームは正当化されるべき。ひどい仕打ちを受けなければ避けられた事件である。正直に言うとこの手の事件がもっと起きないのが不思議。
●グランビー出身の友人によると、その時は子供だったが、ほとんどの人がマービンを知っていた。そしてキルドーザーも秘密ではなく彼は人に見せたり、計画を話したりしていた。ただみんな笑ってそれをジョークだと思っていたらしい。現在その地域の多くの人々は彼を支援するTシャツを着たりしているそうだ。
誰にとっても不幸な結果となりましたが、死傷者を出さなかったことや、不当な扱いを受けたこともあり、事件後は彼に同情する人やヒーロー扱いする人も多いとのことです。