2016年11月19日 13:48

「独りぼっちでは死なせない…」看護師の思いが世界中に広がる

 

孤独死させないプログラム
1986年、看護師のサンドラ・クラークさんは末期患者の男性から「そばにいてほしい」と頼まれたものの、巡回中だったことから期待に応えられませんでした。

巡回後、彼女が患者のところに戻ると、彼はすでに冷たくなっていました。亡くなった時には誰もそばにいなかったのです。

その記憶が頭から離れなかったサンドラさんは、あるプログラムを立ち上げました。

TIL that in 1986, nurse Sandra Clarke could not stay with a patient who asked her to stay.

看護師として長く務めたことがある人なら、心に残ったり、頭から離れない患者が1人や2人はいると言います。

サンドラさんにとってはこの患者がそうでした。一緒にいてあげられず、独りぼっちで死なせてしまったことがずっと心残りだったのです。

1986年のある日、サンドラさんは患者の巡回をしていました。巡回の序盤に入った病室には「蘇生処置拒否指示」の弱々しい年老いた男性がいました。彼は消え入りそうな声で、「そばにいてもらえますか」とサンドラさんに頼んだそうです。

彼女は他の6人の巡回が終わったらすぐに戻ってくると約束し、病室を出ました。思ったより6人の巡回に時間がかかり、ようやく彼の病室に戻り遅くなったことを謝ろうと近づくと、彼の青白い手がベッドの外に伸びていました。彼は独りで息を引き取っていたのです。

このことをサンドラさんは合理的に考えようとしました。男性は年老いていたし、多臓器障害を抱え、死は避けられない運命だったと、そう自分に言い聞かせました。

しかし、彼の最期はこんな風でなくともよかったと、独りで死ぬことなんて誰も望まないだろうと、そう思わずにはいられなかったのです。

彼女は、この患者のように家族や親しい友人もいないケースや、あるいはいても近くに住んでいない場合など、孤独死は誰にでも起こりうることだと考えるようになりました。

そこで立ち上げたのが、「No One Dies Alone」(独りぼっちでは死なせない)というプログラムです。

2001年のことでした。

その内容は、亡くなっていく患者にボランティアが付き添ってあげるシンプルなものです。

ボランティア登録は、いくつかの条件をクリアする必要がありますが、これが反響を呼び、現在は全世界に広がり800のプログラムにまで増え、病院だけでなく、老人ホームや刑務所にも活動の輪が広がっています。

ボランティアには、看取った患者と最期の時間を共有できた感動があると述べる人が多く、様々な職業の人が参加しています。

独りぼっちで死なせてしまった患者への思いが募って出来たプログラム。この輪が広がることで、大勢の人が独りぼっちで死なずに安らかに眠りにつけているようです。

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