2016年12月26日 13:01

ドイツで第二次世界大戦以来の大規模な避難…その理由は3.8トンの巨大な不発弾

 

ドイツで第二次世界大戦以来の大避難
ドイツ南部のアウグスブルクで、第二次世界大戦時以来の大規模な避難が、クリスマス当日に実施されました。

その理由ですが、第二次世界大戦中にイギリス軍によって投下された、3.8トンの巨大な不発弾が工事中に見つかったためだそうです。

Germany's biggest evacuation since WWII to take place on Christmas Day as authorities in Augsburg

第二次世界大戦中にヨーロッパ全土に落とされた爆弾は270万トンとも言われ、そのうちの半分はドイツに落とされています。

そのためドイツでは不発弾がよく出てくるのですが、今回見つかったのは3.8トンの大型のもので、ドイツ史上もっとも大規模な避難が実施されました。

避難と爆弾処理が行われたのは12月25日で、半径1.5km以内に住む3万2000世帯以上が対象。一時的に学校、ジム、室内スタジアムなどの施設が避難先に使われたとのことです。

テロでも災害でもなかったわけですが、いまだに残る第二次世界大戦の傷跡に対し、海外掲示板にはいろいろな意見が寄せられていました。

●このあたりの地下工事をするのは大変なことなんだ。不発弾があるか、考古学者をしばらく忙しくさせるローマ時代の遺跡があるか、だからね。

↑その通り、ローマ時代の遺跡がある。ここケルンではローマ遺跡を掘り起こさずに穴を開けるのは無理だ。ケルン大聖堂の近くの駐車場は遺跡の発掘場が含まれているんだが、こんな風にローマ古代の壁などが出土し、建物に組み込まれている。
ドイツで第二次世界大戦以来の大避難01
オリジナルは高さ7.8m、幅2.4mで、なかなか興味深いよ。1800年前の建築物の横に車を停める経験は、人を謙虚な気持ちにさせる。

↑ヨーロッパ中にある、こうしたポイントを全く理解してなかった。

●大戦時の不発弾はドイツではかなり一般的だよ。今でも10万個の不発弾があると見積もられていて、毎年5500個ほどが処理されている。爆弾処理サービスというのもある。工事が始まる前に、どれくらい空中にあったかを解析してリスクを決定したりする。
もちろん見つかったときは不発弾処理をしたり、コントロールした上で爆発させたりもする。自分は地質工学のエンジニアをしているので、よく使うサービスだよ。

↑イギリスでもまだ見つかるよ。ただし頻度はそれほど高くないのと、もっと小さいものばかりだ。

↑オランダも一緒。ただしドイツほど頻繁ではないし、ほとんどが重さ500ポンド未満。その他に手榴弾、地雷などもある。木箱に入って危険に見えないことから、非常に危険。ときどき牛が引き金を引くことがあり、翌朝農夫は木と牛の残骸を見つけることがある。

↑それはドイツの爆弾はよく機能したということで、ほとんどがちゃんと爆発したことを表している。そしてそれはドイツのエンジニアへの誉め言葉だと思う。

↑イギリスとドイツでは爆弾の落とし合いをしていた。ドイツはイギリスに7万5000トンの爆弾を落とし、同盟国はドイツに150万トンの爆弾を落とした。

●なんてこった……。ドイツをかなり打ちのめしていたんだな。

●いったい3.8トンの爆弾ってどんなの? 誰か歴史マニアいる?

↑空中投下機雷や超大型爆弾は空中で爆発するように設計され、建物の屋根を破って燃え上がらせるように出来ていた。

↑人類はお互いに殺しあうことにかけては天才だな。

●ベルギー西部のほうでは多くの農夫たちが、耕しているときに爆破するリスクを減らすため、トラクターにシールドを取り付けている。

●わざわざクリスマスの日に? 1日前とか1日後じゃなく? なんてこった。


まだまだ不発弾の多いことに驚きです。

戦争の後始末は、今でもいろいろな形でしなくてはならないようです。

関連記事

 
Twitter facebook はてブ コメント ご意見 TB
 
コメント欄を表示する(3)
この記事へのトラックバック
あんてなサイトにブックマークされました。
トラックバックURL
最新記事

スポンサードリンク
以前の記事


らばQは、世界中から役立つ・面白いニュースの話題をお届けするブログサイトです。