「学生は家賃がきつい」「老人は相手がいない」→同時に解決する画期的なアイデアがオランダで開始
学生にとっての大きな悩みといえば、自由に使えるお金が少ないこと。
一方、高齢者にも悩みがあり、老人ホームの入居者の相手をする人(特に若者)が少ないことが社会問題となっています。
この2つの全く異なる問題を、同時に解決する画期的な方法がオランダで施行され、話題を集めています。
30時間のボランティアと引き換えに、老人ホームを無料の学生寮にするというものです。
The Nursing Home That's Also a Dorm
オランダの学生は、平均で月額366ユーロ(約44000円)を家賃に費やします。
ところが昨今のアムステルダムでは賃貸住宅が不足しつつあり、去年は9000人ほどの学生が部屋を借りられなかったそうです。
その一方で老人ホームでは別の問題を抱えており、政府からの予算削減によって、それまで無料だった高齢者のケアが有償化されました。
そこで、老人ホーム側は学生に無料で部屋を貸し出し、その代わりにボランティアとして月に30時間ほど高齢者の世話をしてもらう提案をしました。
両者の問題を同時に解決できるこのアイデアは評判を呼び、現在人気が増しているとのことです。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●他人の気持ちを体験する機会になるね。とても良い。
↑思うに病院や長期滞在の老人ホーム生活は、極めて人を混乱させる体験なのだと思う。いきなり自分の世界がひとつの部屋、ひとつのベッド、そして病院のロビーに集約されるからね。そしてこの単調さが人間関係にも影響する。
老人にとってこうした精神的刺激は助けになると思うし、うつ病や認知症の予防にもなると思う。
1か月ほど入院した経験があるけど、その時のことはよく覚えていない。患者が混乱していないかを確認するために、病院ではこんな質問をする。
「自分の名前がわかりますか?」「どこにいるかわかりますか?」「今日は何曜日かわかりますか?」
しばらくすると、今日が何曜日なのかだんだん思い出せなくなっていた。長い間入院している人々にとって、今が何年なのかさえわかれば精神的に問題ないと伝えられていた。
↑自分が80歳になったら、部屋でオンラインゲームをして、掲示板を見ながら過ごしたい。本当にそうなって欲しい。他人が正面玄関から出入りするのをボーっと見ていたくはない。
↑気づいていなかったけど、父親はずっと若々しい人だった。彼が63歳のときに自分が生まれ、自分が10代になって女の子に興味を持ち始めたときは「最近はどうだい?」と尋ねてくれたり、女の子が家にいて別の子から電話があったりすると、「今は母親と出かけているので、あとで電話させます」と気を遣ってくれたりした。父親は陰ながらサポートしてくれたし、コントロールもしてくれた。もちろん、かわいい女の子も大好きだった。
●老年研究の授業で、このドキュメンタリーを見たよ。なかなかに興味深かった。学生にひとりずつ高齢者があてがわれるのだが、彼らはまるで親友のようになっていた。
●よその国もそうだが、高齢化が進むと経済的な負担で圧倒されていく。歳をとることは本当に高くつくが、オランダは少なくとも革新的に解決しようとしている。
↑きっとお年寄りたちもクレイジーな話を聞きたいんだと思う。
↑オランダの高齢者たちの半分以上は20代のときにナチスに向かって撃ってた人々なんじゃないかな。
●これはかなりクールなアイデアだ。
↑自分が歳をとったらこんなふうにして欲しい。
●オーストラリアもこれをやって欲しい。
●デンマークよ、これをチェックせよ。
オランダだけでなく、フランスでも似たようなプログラムが導入されているとのことです。
高齢化は先進国に共通する悩みだけに、この新たな試みが成功するかは気になるところですね。