ビリー・ジョエルがコンサートで最前列の席を売ることを止めた理由を語る
人気アーティストのコンサートやライブのチケットは飛ぶように売れ、企業が買ったり、転売もあったりと、席の確保は非常に難しくなります。
ところが「オネスティ」や「ピアノマン」など数々の名曲で知られるビリー・ジョエルは、もう何年も最前列の席を売っていないそうです。
ピアノの弾き語りを中心に、親しみやすいポップスでおなじみのビリー・ジョエルは、特に70年代後半から90年代前半にかけてヒット作を連発しました。
そんな彼は、音楽業界誌「ビルボード」のインタビューで、「最前列の席をもう何年も売っていない」と述べています。
その理由は、安いチケットを買った後ろのほうにいる本当のファンにランダムに譲っているから、というものでした。
最前列は転売屋などがとんでもない値段で売買するために、どうしてもお金持ちの比率が上がります。
80年代には、最も高いチケットで150ドル(約1万6000円)くらいでしたが、そこには裕福な人々が座り、葉巻をふかし、「楽しませてくれ、ピアノマン」と言った雰囲気で座っていて、決して立ったりしなかったそうです。
隣には必ずふわふわした髪のホットな女性がおり、そんな人々を見ながら歌っているうちに、「いったいこいつらは誰なんだ?」と思い始めました。
「オレの本当のファンはどこなんだ?」と。すると彼らはいつも後ろのほうの最悪の席にいることがわかったのです。
そこからコンサートのたびに最前列の席は販売せず、当日にランダムに一番安いチケットを買ったファンの席と交換しているとのことです。
以前は、転売を禁止する法律もあったようですが、高く売れるとそれだけ税収も増えるため、アメリカ政府が厳しく取り締まろうとしないのも問題であると伝えていました。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●実話:母親がビリー・ジョエルのコンサートに行ったときのこと。
その会場のおそらく重要な人物が近づいてきて、「あなたを最前列にします」と言ったらしい。母親が理由を尋ねると、その人は「ビリージョエルは最前列を魅力的なブロンド女性でいっぱいにしたいからです」と言ったらしい。
↑そうだよ。ビリー・ジョエルのライブに行った人は、最前列に座っているのはランダムなファンではないことを知ってる。そこは叫ぶホットな女性なんだ。
↑去年、彼のコンサートへ行ったよ。すると最前列に学生ローンを払っていそうな若い女性がいたのを覚えている。そんな高い席をどうやって買ったのかと思っていたよ。
↑本当の理由は必ずコメント欄にあるんだ。
↑自分もオーランド(フロリダ州)のライブで他の3人の友人(2人の女性と1人の男性)といっしょに、最前列にアップグレードしてもらったよ。目の前で彼が弾くピアノを触った。そこで働いていたクルーがランダムにやってきて「最前列に座るのはどうですか?」と提案してきたんだ。本当に信じられない経験だったよ。
●きっと彼は貧困な美人が好きなだけなんだ。だって彼はダウンタウンマンだからな。
(アップタウンガールの歌詞にそのフレーズがある)
●自分はポール・マッカートニーとエルトン・ジョンのコンサートで、遠い席から2列目にアップグレードしてもらえた。なので幾人かのミュージシャンがやっているのだと思う。
●妻と僕は、エルトン・ジョンとビリー・ジョエルのライブで値段の安いステージの上の後部席を買った。変な席だったが価値があったと思う。ピアノが回転し、ビリー・ジョエルがこっちを向いたとき、彼は歌うのをやめて、「その席がそんなにいいと思ってなかっただろう?」と言ってウィンクした。
↑自分もそのショーを見たよ。するとメンバーの1人が急に近づいてきて、友人と自分に特別なパスを与えるという。そしてバックステージに連れていかれた。
照明がつくとエルトン・ジョンとビリー・ジョエルからほんの6mで、ショーの始めと終わりに彼らに会うこともできた。人生でもっともクールな体験だった。ステージから全てを見ることができたよ。
●「誰かビリー・ジョエルの最前列のチケットいる?」「今、最後尾の席を確保してあるよ。1000ドルだ」
↑200ドルの手数料を忘れてるよ。
●「定価以上のチケット代を払ってませんように。自分たちにはそこまでの価値はないからね。それ以上のものは自分から得られないからよ」
―ビリー・ジョエルの名言
↑先月、彼のライブに行ったよ。そんな高くなく、安くもなかった。でも支払った価値よりもずっとずっとあった。彼はウソをついてるよ。また彼を見るのに10倍払ってもいいと思ったよ。
↑え? 10倍? 彼の言う裕福な人なの?
●次のビリー・ジョエルのコンサートでは一番ひどい席を買う……自分メモ。
●今31歳だけど、初めて行ったコンサートは11歳の時のビリー・ジョエル。その後に2度見ている。90年代には僕の年齢の子にビリー・ジョエルファンはいなかったが、気にしなかった。彼はそれくらいよかった。
出来るだけ自分のファンに前に座ってもらいたいと、もう何年も自分で最前列を抑え続けているとのことです。
ファンが感激するのはもちろん、本人もテンションが上がってパフォーマンスが上がるのでしょうね。