絶対覚えておきたい…オレオレ詐欺から親を守る方法
子供のふりをして親の良心につけこむ、卑劣な高齢者詐欺。その手口は年々巧妙になり、被害件数は近年、増加傾向にあります。
目の届かないところで自分を騙り、忍び寄る悪質な犯罪から、親をどうやって守ったらいいのでしょうか。
その一つの答えとなる、画期的で確実な方法を示す動画が話題になっていました。
高齢者詐欺被害防止WEB動画「母との約束」篇 - YouTube
その動画がこちら。
この動画は、オレオレ詐欺などの特殊詐欺撲滅を目指す政府広報が制作したもの。画期的なオレオレ詐欺防止法が話題となり、すでに100万回再生に達しています。
みやぞんさんの演じる孝行息子と、優しいけれど少し物忘れの増えてきたお母さんの、どこにでもある高齢の親を持つ家庭にかかってきた、オレオレ詐欺の電話。
逼迫した電話の内容を信じてしまうお母さんに、どうしてこんな善良な人たちが酷い目に遭ってしまうのか!と、憤りを感じながら見ていると…壁に貼られたメモを見て、すんでのところで詐欺に気づいたお母さん。
そこに貼られていたのは…なるほど、こんな自衛手段があったなんて!
高齢者詐欺は、近年増加の傾向に
オレオレ詐欺が社会問題となってかなりの年数が経ち、被害防止策も認知された昨今、被害件数も減っているかと思いきや…ここ数年、被害件数は増加傾向にあるようです。
その要因の一つが、手口の巧妙化。初期の頃は名前もわからずに「オレオレ」と切り出し、電話口の相手に合わせる手法が多かったのですが、近年では周到に個人情報を調べ、名前や住所、誕生日も把握した上での手口も増加。電話口での本人確認が難しく、騙されてしまうケースが増えています。
また銀行などでは詐欺グループに振り込みをしないように声掛けや携帯電話禁止などの対策をしているものの、家まで直接お金を取りに来るケースも出てくるなど、より巧妙に防ぎにくくなっているようです。
離れている間に親に忍び寄るオレオレ詐欺
そしてオレオレ詐欺被害は多くの場合、親が一人で家にいる時に起きています。
同居していれば被害は防ぎやすいものの、親の希望や通勤などの事情でそうしたくてもできないことも多く、また同居していたとしても、仕事に行っている時間を狙われてしまっては、どうしようもありません。
さらに親が高齢になるほど、物忘れも増え、冷静な判断も困難になり、騙されるリスクは高まるばかり。
動画ではお母さんが忘れないように壁に多くのメモを貼っていましたが、私の親も同じ事をしているだけに、もう他人事に思えません…!
オレオレ詐欺から親を守る方法は…「約束」
では個人情報を掴んだ上で騙そうとする詐欺グループに対して、どうやって本人確認をしたらいいのでしょうか。名前や住所や生年月日などの、アンケートや申し込みで記入するような情報は既に詐欺グループに渡っている可能性が高く、確認には使えません。
そこでみやぞんさんが、本人確認の方法として残していったのは…「約束」。
動画の冒頭で温泉に行こうと話していましたが…なるほど、これこそがオレオレ詐欺対策だったんですね。
「今度温泉に行こう」という約束なら、個人情報として漏れにくく、いくら用意周到な詐欺グループでも事前に知ることはほぼ不可能。もちろん約束は温泉に限らず、二人だけしか知り得ない事であれば有効です。
詐欺被害に遭わないために…親とこまめにコミュニケーションを交そう
ちなみに動画では、オレオレ詐欺の本人確認に有効な方法が他にも数多く挙げられていますが、どれもこれも、詐欺グループが事前に知り得るのは難しいことばかり。これらの方法であれば、「怪しい」と思った時に確認をすれば、騙される可能性は大きく下がりそう。
そして何より大事なのは、普段からのコミュニケーションを絶やさないこと。用事がなくても週や月に1度は話して、互いにしかわからない事柄を頭に入れておくことこそが、最も詐欺対策として効果的なようです。
優しく思いやりのある人の良心につけ込む、卑劣な高齢者詐欺被害に遭ってしまうと、金銭的な損失はもちろんのこと、騙されてしまった本人は自責の念で長く悔やみ苦しんでしまうことも少なくありません。
何の用もないのに親と話すのはちょっと照れくさいですが、この機会に親子の絆をより深めて、悪質な詐欺被害から両親を守りたいものですね。