刺繍のプロ「羽が欠けた蝶に別の羽を移植してみたら…」→元気に飛んで行く
こちらは北中米に生息する「オオカバマダラ」という蝶で、渡り鳥のように長い距離を移動することで知られています。
写真の個体は、右側の羽が大きく欠損した状態で羽化したそうで、このままではすぐに死んでしまうのは明白です。
発見者のロミー・マクロスキーさんは、数日前に死んだ別のオオカバマダラの羽を移植することにしました。
衣服デザイナーであり刺繍のプロのロミーさんが移植手術に使った道具一式。
(タオル、ワイヤーハンガー、接着剤、つまようじ、綿棒、ハサミ、ピンセット、ベビーパウダー、そして蝶の羽)
黒い線は完全に一致しなかったものの、できるだけ自然に見えるように合わせました。
近くから見ると多少大ざっぱな感じは否めませんが、はたして……。
蜜を与え休息日を置いてから、飛行テストを試みました。
「運が良ければ飛ぶだろう!」
芝生のまわりを素早く周回し、茂みで休んだ後、飛び立って行きました。飛行中の写真はありませんが、それだけ素早く元気に飛び去ったのでしょう。
オオカバマダラの寿命は、北上する集団は1〜2か月、南下する集団は半年以上。
長距離を渡るのは厳しいかもしれませんが、移動しながら交配する習性があるので、子孫を残すことができるかもしれませんね。