中世ヨーロッパの書物に描き足された「ココ注目!」のマーク…矢印の概念がない時代の工夫いろいろ
現代において「矢印」は一般的に使われていますが、その概念が生まれたのは17〜18世紀ごろ、世界に広まったのは19世紀と言われています。
ヨーロッパ中世の書物では、「ここが重要」「テスト範囲」のような注意書き加えたいときは、指を差したリアルな手を描くことが多かったようです。
絵心あふれる、当時の書物をご覧ください。
Notes On The Fields Of Medieval Books
オーソドックスな指差し。現代のアイコンに近いですが、袖をしっかり描写するのが当時の特徴。
注意書きが複数で距離があるときは、ニョキーっと指を伸ばします。矢印なら違和感がないのに……。
指を伸ばすのが不自然ならタコの足で代用。注目度は落ちるかも。
注記のルールやフォーマットが整備されていない時代だけに、個人の工夫と画力でカバーしていたことが伝わってきます。
当たり前に使っている矢印ですが、偉大な発明だったのですね。