2018年03月19日 12:29

中世ヨーロッパの書物に描き足された「ココ注目!」のマーク…矢印の概念がない時代の工夫いろいろ

 

ヨーロッパ中世の書物の注記00
現代において「矢印」は一般的に使われていますが、その概念が生まれたのは17〜18世紀ごろ、世界に広まったのは19世紀と言われています。

ヨーロッパ中世の書物では、「ここが重要」「テスト範囲」のような注意書き加えたいときは、指を差したリアルな手を描くことが多かったようです。

絵心あふれる、当時の書物をご覧ください。

Notes On The Fields Of Medieval Books

ヨーロッパ中世の書物の注記01
オーソドックスな指差し。現代のアイコンに近いですが、袖をしっかり描写するのが当時の特徴。

ヨーロッパ中世の書物の注記02
注意書きが複数で距離があるときは、ニョキーっと指を伸ばします。矢印なら違和感がないのに……。

ヨーロッパ中世の書物の注記03
指を伸ばすのが不自然ならタコの足で代用。注目度は落ちるかも。

ヨーロッパ中世の書物の注記04
頭が手、体はドラゴン。

ヨーロッパ中世の書物の注記05
画力が高いと絵本のようなことに。

ヨーロッパ中世の書物の注記06
なぜか横顔から生えた2本の腕。奇妙だけど注目度は高い。

ヨーロッパ中世の書物の注記07
口から生えたり頭頂から生えたり。

ヨーロッパ中世の書物の注記08
このくらいなら描きやすいですね。


注記のルールやフォーマットが整備されていない時代だけに、個人の工夫と画力でカバーしていたことが伝わってきます。

当たり前に使っている矢印ですが、偉大な発明だったのですね。

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