2018年08月08日 11:22

アイルランドの森林火災…第二次世界大戦のドイツ軍に向けた「メッセージ」が出現する

 

アイルランドの森林火災…第二次世界大戦のドイツ向けのメッセージ00
今夏はヨーロッパ各地が記録的な猛暑に見舞われ、その影響で森林火災が頻発しています。

アイルランドの叢林(そうりん)地も火事が発生し、露出した岩肌に文字が現れました。

それは第二次大戦中に刻まれた「メッセージ」でした。

After a recent bush fire in Wicklow Ireland, a sign is again visible which was created to warn WWII bombers they were over Ireland and not England. from r/europe

出現したのは「EIRE」の文字。
(エール “the Republic of Ireland”のアイルランド語名、また旧正式名 )

ここが「アイルランド」であることを、ドイツ空軍に知らせるためのサインです。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツはイギリスに対して8か月間に渡り、大規模な空襲攻撃をしかけました。死者4万3000人以上、損害家屋100万世帯以上と苛烈を極めました。

アイルランドの森林火災…第二次世界大戦のドイツ向けのメッセージ01
北アイルランドはイギリス領土であるためドイツの攻撃対象で、首都ベルファストも激しい空襲にさらされました。

そこで隣国のアイルランドは、間違われて空爆されては大変と、目立つ場所にアイルランドの印を刻んだのです。

実際に、勘違いによってアイルランドの都市が爆撃された例が幾度もあったのだとか。パイロットが目視で爆撃していたような時代なので、ミスも起こりやすかったのでしょう。

最近の森林火災や野火によって、その頃の痕跡が出現したと話題に上っていました。

海外掲示板のコメントをご紹介します。

●イギリス領土を示す矢印がないことに驚きだよ。アイルランド人より。
(※歴史的経緯からイギリスを嫌うアイルランド人は多い)

↑「そっちだ! あれだよ! 奴らを爆撃しちまえ! こっちじゃない!」

↑連合国に教えるサインでもあるな。アメリカ人が間違えて着陸しないように。

↑典型的なアメリカ人だな。

↑特に長い間大西洋を飛んできた後だと混乱するんだ。アイルランドはどちらの陣営(連合国、枢軸国)でも、国境内に入ってきたら捕える立場だった。

●ドイツの爆撃機がイギリスに飛んできたとき歓声をあげたのを覚えているアイルランド人の同僚(ご年配)がいるよ。
彼によると「イギリスなぞ、くそくらえ」だそうだ。ちなみにダブリンは間違えてなんども爆撃された。

↑アイルランドが中立国だったことを知らなかった。

●でもさ、ドイツ爆撃機が、アイルランド上空を飛ぶ理由なんてあるのかな。

↑やつらはアイルランドを通って北方からやってきたんだよ。イギリス人にどの方向からやってくるかを混乱させるためにだ。

●アイルランドは中立国だったが、連合国側よりの中立国だった。

↑舞台裏で何が行われていたのか、政治家がどんな駆け引きをしていたのか、とても興味深い。

●ちらっと見たところ「FIRE」(撃ての意)に見える。英語が読めるパイロットだったら、むしろ奨励していることになったのでは。

↑実際は、「Eire」と記されている。アイルランドの他の言い方である。

↑1937年以降のアイルランドの名前だ。

●いっそ、どんな考古学的なものが出てくるか、ヨーロッパ全体に火をつけてみるのはどうだろうか。

↑それはジョークだろうが、昨今の酷暑で、実際に5000年前の遺跡が露出してきたよ。
Scorched earth during heatwave reveals new monument at Newgrange

↑同じようなことがデンマークのあちこちで起きている。

●本当に安全を考えるなら、「ニュージーランド」とか「ペルー」とか書くべきだった。きっとナチスはめちゃくちゃ混乱にしたに違いない。

↑あるいは「ドイツ」とね。
「なんてこった、ハンス、また旋回してるだけじゃないか」


火災の前と後の比較がこちら。



戦後の爪痕から、当時のストーリーが見えてくるものですね。

関連記事

 
Twitter facebook はてブ コメント ご意見
 
コメント欄を表示する(1)
最新記事

スポンサードリンク
以前の記事


らばQは、世界中から役立つ・面白いニュースの話題をお届けするブログサイトです。