「砂糖の入っていないダイエット飲料って虫歯にならないの?」歯科医が見解を述べる
砂糖がたくさん入ったお菓子やジュースが歯によくないことは、誰もが知っているレベルの基礎知識です。
では、砂糖の入っていない(人工甘味料などを使った)ダイエット飲料は、虫歯にならないのでしょうか。
海外の歯科医が、掲示板でその辺りを説明していました。
歯科医を名乗る人物が、虫歯になりやすい原因のひとつとして以下の見解を述べていました。
バクテリア(細菌)が歯を溶かすことは、さまざまなところに記述されていますが、専門的には正確ではありません。
バクテリア(ストレプトコッカス・ミュータンス)は、歯のエナメル質を貫通することはできません。エナメル質は最も固い物質のひとつだからです。
では、何が歯のエナメル質を通り抜けるのでしょうか。
それはバクテリアが出す酸です。酸が歯のエナメル質を溶かしていくのです。
よくある誤解例として、ダイエット飲料ならバクテリアが食べる砂糖が入っていないので、歯の健康に良いと思われていることです。
ダイエット飲料にはリン酸が多く含まれ、それは砂糖を食べるバクテリアが出す酸よりも多くのエナメル質を溶かしていくのです。
ダイエット飲料には、クエン酸、リン酸、酒石酸などの酸が含まれているので、それらが着実に歯にダメージを与えます。
ミシガン大学の研究では、普通の炭酸飲料とダイエット飲料を比較して、どちらがより歯のエナメル質を溶かすかの実験が行われました。14日間で普通の炭酸飲料では2.8mg/cm2、ダイエット炭酸飲料で3.0mg/cm2という結果が出ました。
シュガーフリーをうたっている炭酸飲料、スポーツ飲料水、オレンジジュース、ワインなども、同じように歯のエナメル質への歯牙浸食がありました。
バクテリアと歯の衛生については別の誤解もあり、それは「歯に最も重要なのは歯磨き」だと思われていることです。一番重要なのは「口内のpHを上げてくれるフッ素によって、歯のエナメル質を再石灰化すること」なのです。
人は歯を磨いたあとに口をきれいにゆすぎますが、実はこれはダメな行為。
歯磨き粉を口にできるだけ残しておかなければいけません、そうすればフッ素が歯に好ましい効果をもたらします。
食べてすぐ磨くことが大事とも思われがちですが、実は最悪のタイミングです。
食べかすが歯に付いている状態で歯ブラシでこすると、酸がサンドペーパーの働きをするので、唾液が口内のpHを下げるのを待つべきです。
以上が、歯科医の述べた見解です。
砂糖が入ってないから虫歯になりにくいとの考え方は間違っているとのことです。できるだけ歯を大事にしていきたいですね。