オーストリア観光中の女性が放牧牛に襲われて死亡…農家に6000万円の賠償命令が下され物議を醸す
2014年7月にオーストリア・アルプスを訪れたドイツ人女性が、放牧中の牛の群れに襲われて死亡する事故が起きました。
その裁判で、放牧していた農家に対して49万ユーロ(約6150万円)の賠償命令が下され、地元では大きな物議を醸しています。
Hiker gored to death by cow in Austrian Alps
(画像は現地のイメージ)
(The Cows of Tyrol, Austria, 2017 - YouTube)
ドイツから西チロル州ピンニスタールを訪れた女性(当時45歳)は、犬を連れてハイキングしていたところ、放牧中の牛たちに囲まれ、踏みつけられたことにより亡くなりました。
放牧地には「牛に注意」の立て看板があったものの、裁判官はこれだけでは不十分であり、柵で牛たちを囲うべきだったとして、49万ユーロの支払い命令を下しました。
この判決に対し、現地の畜産農家や商工会議所などは「現実的ではなく、農家の生計を脅かす」と猛反発しています。
今後は放牧をやめるか、放牧地一帯を関係者以外立ち入り禁止にするかの問題に直面しているとのこと。
痛ましい事故ではありますが、観光地が失われかねない状況なだけに判断が難しいようです。