ついに史上2人目の「HIV完治例」か…ロンドンの男性患者に幹細胞移植
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染によって引き起こされる病気エイズは、かつては死の病と言われましたが、現在は効果的な治療法が確立されてきました。
しかし「完治」した例となると、過去にたった1人しかいません。
イギリス・ロンドン在住の男性患者に、完治した2人目の可能性があると発表されました。
Tests on London patient offer hope of HIV ‘cure’
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、ロンドンで2013年にHIV感染が判明した男性に完治した可能性があるとの論文を、ネイチャー誌に掲載しました。
男性は2016年にHIV耐性を持つドナーから幹細胞移植を受け、抗レトロウイルス薬の投与を止めてから1年半が経った今もHIVが検出されていません。
ただし完治したと確定するには、もう少し経過観察が必要とのことです。
ちなみに1例目の完治患者はティモシー・レイ・ブラウンさんで、今回と同じくHIV耐性を持つドナーから幹細胞移植を受けています。
(※通称「ベルリン患者」、ベルリン滞在時の1995年にHIV感染を診断された。今回の男性は通称「ロンドン患者」)
それ以来、ベルリン患者の再現が試みられましたが成功例はなく、今回ついに再現された可能性が高いそうです。
研究チームは「現時点では幹細胞移植には大きなリスクがあり、誰にでも適用できる治療方法ではないものの、新たな治療法に希望が生まれた」と述べています。