「都会の店長が田舎のセールスマンを雇ってみたら予想を大きく裏切られた…」というお話
牧歌的な農村で育った青年がフロリダに引っ越し、ほとんど全ての商品がそろう巨大デパートの面接を受けました。
店長「君はセールス経験はあるのかい?」
青年「はい、ノースダコタで掃除機のセールスマンをしていたので自信があります」
店長は、田舎の青年に勤まるのか首を傾げつつも、ものは試しと仕事を与えてみることにしました。
店長「明日から仕事を始めてくれ。閉店後に仕事の成果を確認するよ」
初日はなかなかに大変な日で、青年はどうにか1日を終えました。閉店して施錠した後に店長がやってきました。
「君が売った客は何人で、何を売ったのかね?」
すると青年は眉をひそめて、床を見つめてつぶやくように言いました。
「1人です……」
「たった1人だって!? 自信があるんじゃなかったのか。うちの営業マンなら1日平均20〜30人の客に売っているんだぞ。ここで働きたいと思うならば、そこは改善してくれなくちゃ困る。フロリダには厳しいセールス基準がある。ノースダコタでは1日1人の客でも受け入れてもらえたかもしれないが、ここは農場じゃないんだからな」
きつく説教されている間、青年はずっとうなだれていました。店長は初日から少し言いすぎたかなと思い直し、次の質問をしました。
「それで、その1人の客はいくらの売り上げだったんだ?」
青年「10万1237.65ドルです」(約1100万円)
店長「10万1237.65ドルだって!? いったい何を売ったらそんな額になるんだ?」
青年「ええと、最初にそのお客様に釣り針を売りました。それから新しい釣り針に合う釣り竿も売りました。次にどこで釣りをするのかと尋ねると沿岸だとおっしゃったので、ボートが必要になることを伝え、ボート売り場へ向かいました。そこで2エンジンのクリス・クラフトを売りました。お客様のホンダ・シビックではボートを引っ張れないと言うので車売り場へお連れし、4駆のエクスペディションを売りました。」
店長「客は釣り針を買いに来たのに、君はボートにトラックまで売ったというのか!?」
青年「いいえ、違いますよ。お客様は奥様の生理用品をお買い求めに来たのです。そこで『それでは、あなたの週末は最悪じゃないですか、釣りに行ったほうがいいですよ』と声をかけたのです」
教訓:仕事の能力は実践してみるまでわからない。