手をつないで埋葬された古代ローマの「モデナの恋人たち」…男性同士だったことが判明
2009年にイタリア北部で5世紀頃に埋葬された人骨2体が発掘され、手と手をつないでいることから「モデナの恋人たち」“Lovers of Modena”と呼ばれています。
ロマンチックと思われてきた遺骨ですが、どちらも男性のものであったことが最新の論文で発表されました。
Hand-holding ‘Lovers of Modena’ skeletons were both men image:ARCHEOMODENA
論文が発表されたのはイギリスのオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ。(科学誌ネイチャー系)
発掘当初は男女の遺骨だと推測され、イタリア北部モデナで暮らす恋人同士ではないかとみられていました。
しかしながら最新の調査技術で分析した結果、歯のエナメル質に含まれるタンパク質から、どちらも男性の遺骨であることが判明。
ボローニャ大学の研究チームによると、この墓所には11体が埋葬されており、数体は戦闘で受けたとみられる損傷が確認されています。
2人が同じ墓に埋葬された理由ははっきりしていませんが、歳の近い親族(兄弟、いとこ)の可能性が高いとのこと。
同性の恋人同士であった可能性は排除できないものの、それが理由で埋葬者が手をつながせた可能性は低いと結論付けています。
過去に手をつないだ考古学的な成人の遺骨は他に6例以上が確認されていますが、いずれも男女のカップルのものだそうです。