「機長の機転」によって乗客たちがハイジャック犯を取り押さえる…モーリタニアの便で起きたこと
ハイジャックは不法に乗り物を強奪する凶悪犯罪。もし飛行機で遭遇したら、どれだけ絶望的な気持ちになることでしょう。
過去には機長と乗客が協力して、ハイジャック犯を見事取り押さえることに成功した事件も存在しています。
TIL that in 2007, the hijacking of a Mauritanian
2007年にカナリア諸島(アフリカ北西沖のスペイン領)のグラン・カナリア島に向かっていたモーリタニアのボーイング737が、ハイジャックに遭いました。
乗客は71人、乗務員は8人。
2人組の男が拳銃を振り回して脅し、フランス・パリに向かえと命令したのです。
機長はハイジャック犯と交渉しているうちに「フランス語を理解していない」ことに気づきました。
機転を利かせた彼は、着陸のアナウンスの際に、フランス語のところだけ乗客に伝える内容を変えたのです。
「これからハードランディング(地面に叩きつけるような激しい着陸)を試みるので、ハイジャック犯が投げ出されたときに乗客のみなさんで取り押さえてほしい」というものでした。
ハイジャック犯がバランスを崩したら、前方の座席10人くらいの乗客で取り押さえることが可能であることを説明し、女性や子どもは後方の座席に移動してほしいとも指示しました。
その結果、急激なブレーキによって20人が軽傷を負ったものの、犯人を取り押さえることに成功したのです。
機長の勇気と機転は見事と言うしかありませんが、きっと普段からハイジャックの対処法をいくつも考えていたのでしょう。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●「前もって警告を伝えられた乗客や乗務員は、コーヒーメーカーのお湯を男の顔や胸にかけ、そして力で抑え込んだ」
すごいな。
●だが、フランス語を話せない乗客の立場だと想像してみろよ。いきなりフライトが荒れてガタガタして、その後に騒々しい取っ組み合いが始まるんだぞ。
↑そして無料のおみやげをもらうチャンスを得るんだ。
↑「サービスはひどかったわ。水をお願いしたら、乗務員は銃を持っていたのよ」
●ニュースの写真の男はリメイム・マレックと言い、機長の指示に従ってハイジャック犯を取り押さえるのを手伝った乗客だよ。
(Armed with French, quick-thinking pilot thwarts hijacking - Houston Chronicle)
●「乗客のみなさま、マイルドな飛行機の揺れにご注意ください。この揺れの間にこの男をやっつけてくれるとすばらしいです」
↑どうだろうな。シートベルトサインはまだ着いてるし、トラブルになりたくないし。
↑“Omae wa mou shindeiru”
(※原文ママ。北斗の拳の日本語セリフは、海外サイトでよく使われている)
●自分は一番前に座りたくない。そして銃を持った男を取り押さえたくない。この飛行機の料金を支払い、追加の荷物料も支払ったんだ。乗務員に攻撃させろって思う。
↑いや、オレなら免税のカートですごいスピードで男を轢くね。
●きっとハイジャック犯は「なぜ乗客が着陸時にオレを見てくるんだ」と思っただろうな。
↑全員が男を見ているよ。武器を持って命令しているんだから。ただ男は何が起こっているかに気付いたかどうかだな。
●うちの国じゃ終わりだな。みんな3つか5つくらいの言語を話す。
●ハードランディングをしたら攻撃をする乗客はシートベルトを付けられず、リスキーじゃない?
↑みんなシートベルトはすぐに外せることを知っている。
911のアメリカ同時多発テロ事件が起きたのが2001年。記憶も薄れていない2007年のことなので、どれだけ恐ろしかったことでしょう。全員の勇気に拍手ですね。