呼吸をしない唯一の「動物」が見つかる…生物学の常識をひっくり返す発見
アメリカ・オレゴン州立大学の研究者が、酸素呼吸を必要としない多細胞動物を発見したと学会誌で発表しています。
確認されている中では地球上で唯一であり、動物の定義そのものに影響を与える可能性があるとのことです。
Henneguya salminicola - Wikipedia
生物の名は「ヘネガヤ・サルミンコーラ」"Henneguya salminicola"。
サケやマスなどの魚の筋肉に寄生し、細胞数10未満の小さな白い嚢胞(のうほう)を形成するクラゲやサンゴの仲間。
ゲノム解析によって、呼吸に関するミトコンドリア・ゲノムそのものがない動物であることが、生物学史上初めて確認されました。
「もともとはクラゲのような生き物が、進化の過程で組織、神経細胞、筋肉、そして呼吸する能力を失ってきたのではないか」「今後も同様の例が発見されるだろう」と研究者は推測しています。
一般的に動物の定義、特徴、分類などの線引きは難しいとされていますが、酸素呼吸を必要としない多細胞生物が確認されたことで、今後の動物の定義にも影響を及ぼすとみられています。
寄生主である魚に悪影響を与えている可能性は微小であり、人間に感染する能力は持っていないだろうとのことです。