自宅で暇を持て余したイギリスの教授、4000年前の世界最古のレシピを再現して食べてみることに
われわれが豊かな食生活を享受できているのは先人たちが残してくれたレシピのおかげですが、現存する最古のレシピは4000年前のメソポタミア文明の粘土板だと言われています。
ケンブリッジ大学の教授が、コロナ禍によるロックダウンで時間を持て余したことから、その最古のレシピを再現し、食べてみたそうです。
I blame lockdown but for some reason decided to cook Babylonian meal from the recipe tablet on the right; at 1750 BCE are the oldest recipes existing. Seemed to go down OK "Best Mesopotamian meal I have eaten".
— Bill Sutherland (@Bill_Sutherland) June 28, 2020
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粘土板が記されたのは紀元前1730年(3770年前)。
古バビロニア王国の第6代ハンムラビ王(紀元前1792年頃〜1750年頃)がメソポタミアを統一してバビロニア帝国の初代王となり、「目には目を、歯には歯を」で有名な「ハンムラビ法典」を制定してから数十年ほど後の時代。
ケンブリッジ大学の保全生物学のビル・サザーランド教授は、4つのバビロニア料理と1斤のパンを再現することにしたそうです。
1.「とろけるシンプルなラムシチュー」
ラム肉、水、牛脂、塩、ミルクを煮込み、タマネギとニンニクをトッピング。
シンプルながらも美味だったとのこと。
2.「"Tuh'u"(ツフ)という名の煮込みスープ」
ボルシチ風の肉の煮込みスープ。ビーツ、コリアンダー、ルッコラなど。
出来は微妙で、反省点は煮込みが足りなかったとのこと。
3.「"Unwinding"(アンワインディング)という名の野菜料理」
水、牛脂、ニラネギ、ニンニクにパン粉をトッピングして焼いたもの。
見ためはおいしそうだけど、パンチに欠ける味。
4.「エラム人風のスープ」
香草を羊の血とサワーミルクで煮込んだ、メソポタミアの近隣にいたエラム人が食べていたスープ。
羊の血のかわりにトマトソースを代用したそうです。奇妙だけど濃厚で風味豊かな味。
レシピは大雑把だったり当時の材料が手に入らなかったりで、完全再現は難しいとのことですが、4000年前の食文化に近いものを味わうことができるのはロマンがありますね。