捕虜全員から機密情報を引き出したナチスドイツの伝説的な尋問官「ハンス・シャルフ」…拷問どころか指一本触れない手法とは
第二次世界大戦中のナチスドイツには、捕虜のほぼ全員から重要な情報を引き出した伝説的な尋問官がいました。
そう聞くと、恐ろしい拷問でもしたのかと想像してしまいますが、彼は捕虜に指一本触れなかったと言います。
どんな手法だったのでしょうか。
TIL the most successful Nazi interrogator in world war 2 never physically harmed an enemy soldier : Reddit, Detonator - Pixabay
その尋問官の名はハンス・シャルフ。
(Hanns Scharff - Wikipedia)
次々に機密情報を引き出し、空軍で「マスター尋問官」と呼ばれるほどの高い評価を得た彼ですが、物理的に捕虜を虐待したことはありませんでした。
むしろ全員に敬意を払い、親切に接し、散歩に連れていき、病院にいる仲間を訪ねさせたり、1人のパイロットには戦闘機の試運転さえ許可しています。
その結果、ほぼ全員が必要な情報をしゃべったのです。
拷問を使わず尋問相手を丁寧に扱うことで全員をしゃべらせる技術は、敵国を震撼させるほどでした。
戦後は米軍に招待され、米軍の尋問技術の形成に貢献したことでも称賛されています。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●サダム・フセインを担当した尋問官のドキュメンタリーを思い出した。
実質的にフセインの親友で、フセインが移動させられたとき尋問官を戻すように要求した。
↑一方、ドイツ兵はカナダの捕虜キャンプであまりに丁寧に扱われていたので、捕虜たちはドイツに帰りたがらなかったそうだ。
●信じられないほど不安になる人物だ。彼のメソッドはとても人道的だが、自分なら人をそこまで操るのがうまい人物と関わりを持ちたくない。
↑彼は全員に虐待的な関係に引き込んで、ストックホルム症候群が始まり出すまで待ったんだ。
1.孤立させる
2.唯一の友人となる
3.彼らが秘密を打ち明ける。
(※ストックホルム症候群とは、誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象:コトバンク)
●こういうのは映画化すると、リアリティが薄いと文句を言われるタイプ。
↑アメリカもナチスの科学者たちに同じことをしていた。
ステーキを食べに連れて行ったり、ワシントンD.Cでショッピングさせたり、特に口を割らない難しい捕虜には、偽のソ連の諜報員を登場させた。
アメリカに協力すればステーキ、ショッピング、湖への散歩が保証された。非協力ならこの(偽の)ソ連の諜報員に引き渡されると不安にさせた。
●それは情報を引き出すのに、尋問官が殴ったり怒鳴ったりすることが武勇伝のように考えられてきたからである。
拷問は犯罪だけでなく間違いでもある。
●"The Interrogator"「尋問官」"The Interrogator"は彼について書かれた良書だよ。
↑(投稿者)読みたいと思う。これは唯一聞いたナチスの良いストーリーだよ。
●彼は戦後にCIAやペンタゴンでも働いていたよ。
↑戦後のアメリカは、たくさんのナチスを採用した。
●軍の尋問官のエキスパートと一緒に働いたことがある。彼女はティーと同情は、とてもよく機能すると話していた。
↑110%同意。人から秘密を聞き出すよりも信頼を構築するほうが簡単だからね。
↑拷問は囚人に言いたいことを言わせるが、真実にはたどりつかない。
恐怖で支配するよりも、人心をつかむほうが効果的なのですね。