陸上男子1500mで銀メダリストが金メダリストにブレスレットを渡した理由…五輪のちょっといい話
東京五輪も終わってしまえば、あっという間に感じます。
日本人選手が出場してないこともあり、あまり日本では注目度が高くなかった陸上男子1500m走。
その決勝レース直後に、負けた銀メダル選手が金メダル選手にブレスレットを贈る場面がありました。
いったいどんな意味が込められていたのでしょうか。
Timothy Cheruiyot gifts Olympics champion 🇳🇴 Jakob Ingebrigtsen his bracelet.
— Dennis Nyambane (@ItsNyambane) August 7, 2021
Kenya to the world pic.twitter.com/Itq1DYgHmV
左がケニアのティモシー・チェルイヨット選手(銀メダル)。
右がノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセン選手(金メダル)。
金メダルを勝ち取ったインゲブリクトセン選手に対し、負けたチェルイヨット選手が自分のブレスレットを渡しています。
両選手は過去の大会で何度も対決しており、なんと13回中12回もチェルイヨット選手が勝ってきたのだとか。
その結果は圧倒的と言えるもの。インゲブリクトセン選手にとっては、超えられない大きな壁でした。
ところがオリンピックという最高の大会で、インゲブリクトセン選手が悲願の金メダルを獲得。
ついに自分を倒したライバルを讃える、チェルイヨット選手の笑顔は晴れやかに思えます。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●彼にとって、そのブレスレットはメダルより意味の深いものになったね。
●選手たちの高いレベルのスポーツマンシップに敬意しかない。
↑このオリンピック全体のスポーツマンシップは異常なほどだったよ。他の選手の好プレイをみんなが喜びあっていた。(コロナ禍で)この1年間身動きが取れなかったことが関係しているのは疑いないけど、人間本来の良いところが光っていたね。
↑ケニアの選手が伝えていることは「よくやったな、これが今までおまえを負かしてきたことを思い出すためのアイテムだよ」。
●このオリンピックでは伝統的なスポーツマンシップが出ていたね。見ていて気持ちがよかった。
↑パンデミックは我々に愛とはどう共有すべきかを教えたようだ。
●こういう世界が見たい……出し尽くした後に、お互いに親愛を分け合うのは最高の中の最高だ。
↑この2人は、我々が見ていたよりずっとたくさん競ってきたんだ。
だから勝利も敗北も彼らの間で共有されている。また競うのかもしれないが、本質的なリスペクトが共有されているんだ。美しいね。
●興味深い……100m走ではメダリストのほとんどが西アフリカの血統、10000m走では、メダリストのほとんどが東アフリカの血統、でも1500m走の勝者は多様である。
●短距離に必要なのは、速く筋肉を動かして燃焼させること。
長距離に必要なのは、心肺機能や筋肉の持久力。
中距離に必要なのは、どれくらいクレイジーであるか。
●タトゥーが気に入った。
「みんな気にかける」"Everyone cares"
●ノルウェー国民おめでとう。君らのスピードを速めるものは何だと思う?
↑走っているときに知らない人が近づいてきて、会話をしようとしているところを想像する。
(※ノルウェー人は人見知りで、パーソナルスペースを好む)
●これはみんなの教訓にしてくれ……ヤコブ・インゲブリクトセンは12回負かしても、あきらめてくれないんだ。
●こういうのがオリンピックを特別なものにするね。彼は心の底から嬉しそうである!
良いライバルがいるのは人生の宝と言いますが、まさにそんな関係なのでしょうね。