アメリカの「ウォルマート」がドイツ進出に失敗した3つの理由…海外の反応
世界最大の売上額を誇る、アメリカの大手スーパーチェーン「ウォルマート」。アメリカ国内に4800店舗、世界27か国で11300店舗を展開しています(2018年度時点)。
しかしながら、その経営戦略がどの国でも通用するわけではなく、ドイツには2000年代初頭に進出したものの結果は失敗。
その理由というのが……。
Reddit/ylenias, Why Walmart Failed In Germany
失敗した理由は、アメリカ的な価値観がドイツ文化になじまなかったこと。
具体的に挙げられていたのが以下の3つ。
1:「従業員のモチベーションを高めるトレーニング」が受け入れられなかった。(※ウォルマート・チアと呼ばれる始業前の全員参加のかけ声がある)
2:従業員がやたら微笑みかけてくることを利用客が不快に感じた。ドイツ人は親しい家族や友人以外にほほ笑むことに抵抗がある。
3:不正行為があった場合に、従業員同士が監視し合うことを義務づけるウォルマートの倫理規定があり、反発が大きかった。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●ウォルマートは日本でも失敗したね(※2018年に撤退)。ウォルマートは一貫してアメリカで成功したことを、海外事業にコピー&ペーストしようとして失敗しているようだ。
↑最安値で巨大な店舗を構えれば客は集まる。文化に合わせてサービスモデルを変えればいいだけなのに。
↑少なくともドイツには、すでにALDIやLidlのような激安で定評のあるディスカウントストアがある。
↑問題は競争相手ではなく、ウォルマートの戦術がドイツでは通用しなかったことだ。
↑ウォルマート戦略は低賃金、大規模な店舗、大規模な流通システム、そして価格を引き下げる購買力に依存している。
店舗や流通システムを思い通りに構築することは、地域社会のコストを生み出すため許されず、しばしば補助金が支給される。
アメリカでは、税制上の優遇措置がなくなると店舗を閉鎖し、新しい店舗をオープンすることが多い。放棄された店舗を再利用するのは難しい。物流センターも同様の問題を抱えている。大型店には在庫やマーケティング上のメリットもある。
これらの利点がなければ、競争力は生まれない。
↑アメリカにはALDIがあるし、イギリスに住んでいたときはLidlに行ったこともある。どちらも食料品の安さに関しては、ウォルマートよりもはるかに優れている。
↑以前ウォルマートで働いていて、従業員割引があった。それでもALDIで買う方が安かった。
●元ウォルマート従業員だったけど、正気の沙汰ではなかった。
シフトの最初に"Wal-mart"のスペルを1文字ずつ書いて応援するんだ:「Wをくれ! Aをくれ! Lをくれ! Wをくれ! Lをくれ! くねくねのをくれ!" などと言いながら、体をくねらせるんだ。
↑早朝、ウォルマートでこの歓声を聞いたことがある。関係者全員にぞっとした。
↑地元の清掃会社で働いていたとき、ウォルマートの清掃を請け負った。従業員ではないのでそれに参加する必要はなかった。通り過ぎるときに彼らの目から絶望が見えた。申し訳ない気持ちになったし、めちゃくちゃ気持ち悪かった。
●とりあえずレジの人は座らせてあげよう。
↑そうだよ。座らせてくれ!
●もしフィンランドで、店の入り口で店員が出迎えてきたら、すぐに出て行く。
↑コストコへようこそ。
●この感覚はドイツ人に限ったことではない。あの笑顔の「ごきげんよう!」なんて、不誠実極まりない。
↑アメリカ人の多くは、他国人が面と向かって、親切で人柄の良い挨拶を好まないことを知らない。スーパーマーケットにいるときに5つ星のサービスなんて必要ないんだ。
●ドイツは労働組合が盛んで、ウォルマートはその点で問題を抱えていた。
同じ欧米でも、アメリカとドイツに大きな気質の差があることがわかりますね。