2024年08月11日 19:00

両親がスパイで逮捕された16歳のカナダ少年…市民権を剥奪されてアイデンティティの危機に直面した事件

 

16歳のカナダの少年両親がスパイだと気づく
スパイは映画や小説の中だけの存在ではなく、実際にはどこの国にもいるのだとか。

両親がロシアのスパイであることが発覚して逮捕され、それまで自分が普通のカナダ人だと信じて疑わなかった16歳少年が、市民権を剥奪されてアイデンティティの危機に直面してしまった事件があります。

Reddit/sanandrios

アレクサンダー・ヴァヴィロフさんは1994年にカナダ・トロントで生まれましたが、彼の両親はロシアのスパイであり、偽名でカナダに住んでいました。

2010年、アレクサンダーさんが16歳の時に、両親は米連邦捜査局(FBI)によって逮捕され、スパイ交換によってロシアに送還されました。

カナダ当局は、両親が外国政府の職員であることを理由に、アレクサンダーさんと兄のティモシーさんから市民権を剥奪。

アイデンティティだけでなく、生まれ育った故郷で暮らす権利すら失いかけたのです。

しかし、長い法廷闘争の末、2019年にカナダ最高裁判所の判決により2人は市民権を回復します。(両親が外交特権や免除を受けていなかったため、子供の市民権は有効であるとの判断)

子供を犠牲にしたスパイ活動の闇の深さを物語っています。

海外掲示板のコメントをご紹介します。

●飲み会で話のネタに困らないな。

●政府は市民権を剥奪しようとして裁判は最高裁までもつれ込んだ。この判決は現在、カナダの行政法に関する代表的な判例となっている。

↑そう、カナダの行政法の授業では、この件に多くの時間を割いている。

↑彼の市民権が問題になったのは奇妙だな。
アメリカは「ここで生まれたら」ルールが強烈だ。それは間抜けなルールだが、他国ではそこで生まれた人が市民権を失いかける話はよく聞くよね?
アメリカでは最低の島で生まれても市民権を得られるのだ。

●「ロシアで少なくとも1人のロシア人両親のもとに生まれた者、または海外で2人のロシア人の両親のもとに生まれた者は、出生時にロシア国籍を取得する」
Russian citizenship law - Wikipedia
おそらく彼は生まれたときから法的にはロシア市民だったのだろう。たとえ彼がそれを知らなかったとしても。
カナダのパスポートが更新されず、市民権が剥奪された場合(裁判で争うまで)、彼はロシアのパスポートを申請しなければならなかった。

↑記事にはそのことが書かれている。
おそらく常にロシアのパスポートを所持し、その他必要な書類も本人が知らないうちに所持していたと考えている。ロシア側の担当者はすべてを記録しておくだろう。

●真面目だけど間抜けな質問がある。このように深く潜入することでスパイたちはどんな「秘密」を得ることができるのだろうか? 記事によれば、彼らはトロントでおむつの宅配サービスを始めたという。だからといって、彼らが国家機密を握っていることにはならないだろう?

↑カナダのパスポートがあれば、西側諸国を自由に動き回ることができる。その国籍のおかげで彼らの動きはあまりチェックされることがない。たとえばフランスに住んでも「カナダ人だから大丈夫」とみなされ、実際のスパイ活動をしていてもあまり注目されない。

●自分の子供にすることとしては、信じられないほど利己的なことのように思える。

↑そうだよ、彼の父親はこう言っていた。「息子のためだとしても国家への忠誠を侵すつもりはない」

●なぜカナダのパスポートが欲しかったんだ? ホッケーの秘密を盗もうとしているのか?

↑カナダは世界で最も長い国境を持つ国である。その国境はどこと接しているのか?
ロシアの最大の脅威だ。カナダはまたNATOの最大の支持国のひとつであり、戦争ではほとんど常にアメリカを支持している。カナダ市民はまた、米国を訪問するためにビザを必要としない唯一の完全な主権国家でもある。パンデミック時に国境を閉鎖するのが難しかったのはそのためだ。
アメリカとカナダは政府も外交政策も異なるが、基本的には夫婦のようなものだ。厳密にはそれぞれが独自の決断を下すのだが、通常、お互いにある程度相談せずに決めることはない。


この事件がきっかけで「ジ・アメリカンズ」というドラマ化もしているそうです。

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