2024年09月30日 12:58

AEDの電極パッドの貼り方を変えたら生存確率が264%増加…大学の研究

 

AEDの電極パッドの貼り方を変えたら生存確率が264%増加
心臓発作等で心臓が止まりそうなときに使うAED(自動体外式除細動器)。

胸の右上と左下に電極パッドを貼り付けて電気ショックを与えるのが一般的な使い方ですが、貼り方によって生存確率が倍増することが新しい研究で示されました。

Reddit/mvea

オレゴン健康科学大学(OHSU)が主導した新しい研究によると、
電極パッド2枚を胸に貼る従来の方法ではなく、胸と背中に貼ることで院外で起こる心停止から生存確率が264%増加したとのこと。

装着の難易度は上がりますが、研究段階とはいえこれだけ大きな差が出ると、今後の装着マニュアルにも影響が出るかも知れません。

海外掲示板のコメントをご紹介します。

(投稿者)上の記事でニュースリリースにリンクした。このコメントでは、ご興味のある方のために、査読付きジャーナル記事へのリンクをご紹介する(英語)。
Initial Defibrillator Pad Position and Outcomes for Shockable Out-of-Hospital Cardiac Arrest | Emergency Medicine | JAMA Network Open | JAMA Network
リンク先の記事より:
新しい除細動器装着で心臓発作からの生還率が264%増加。
新しい研究によると、電極パッドを胸に2枚貼る通常の方法ではなく、胸と背中に貼ることで、院外で起こる心停止から生還する確率が2.5倍以上増加する。
残念ながら、院外での心停止(OHCA)から生還する確率は低い。30%の症例で循環が戻るが生存はわずか10%。
しかし、心停止が「ショック可能な」不整脈によるものである場合、迅速な除細動(胸部に電極パッドを当てて電気ショックを与え、心臓を正常なリズムに戻す)によって、その確率は改善される。
この研究結果は、心臓を前後2枚の電極パッドで『挟む』ことで、より広範囲に心臓に電流が送られ、蘇生がより効果的になる可能性を示唆している。しかし、APポジショニングが常に可能であるとは限らないことを指摘している。

↑現在のデバイスはこれに対応するためにアップデートする必要があるのだろうか。それとも今なら前後に電極パッドを貼り付けても、AEDから「間違っている」と怒鳴られることはないのだろうか?

↑今すぐできるよ。電極パッドは電気を供給するためのワイヤーで、位置とは関係なく、一方から他方へと体内を通り抜ける。電極パッドの間に心臓を挟むことで、電気を通しやすくしているんだ。
前後配置とは、赤ちゃんや小さな子供に電極パッドを装着する方法で、通常の配置では電極パッドが大きすぎるからだ。

●救急医だが、この研究には注目すべき点がいくつかある。
他の研究では正反対の結果が出ている。前外側配置で心電図ショックの高い電力量を流したほうがよい結果が出ており、特に肥満患者にその傾向が高い。(除細動と心電図ショックとは明らかに異なるが、ここでは同じ電力量を使用する)。
これはポートランドでの話であり、ポートランドはアメリカの他の地域よりも平均BMIが低いので、もし肥満や皮下脂肪が配置に大きく影響するのであれば、ポートランドは全米に当てはめるには最適な場所ではないかもしれない。
これは小規模コホート研究であり、科学が学ぶべき新たな疑問も生み出す!
この研究は、より良い答えを得るために無作為化試験を行い、交絡因子を取り除くべきだと主張している。
最も重要なことは、ほとんどの院外心停止(OHCA)は除細動が可能なリズムではなく、つまり除細動が効かないということである。除細動可能な不整脈が最も生存率が高く、無傷で退院できる可能性が高いが、心停止を起こした人のほとんどは、必ずしも心拍のリズムが問題なのではなく、別の原因がある。

●自分は救急隊員かつ救急看護師。
電極パッドがどこにあろうと、私たちがいつも教えられてきたこと、そして私が実際に経験した心停止した人が本当に回復(蘇生、自然循環の回復、退院)したのは、停止が目撃され、直ちにCPRと不整脈に対する早期の除細動が行われた場合だけなので、これは興味深いこと。
生存確率は、発作の目撃、早期かつ即時の人工呼吸/除細動、これだけに基づいている。NFLのデマー・ハムリンのケースと同じ。完全に回復した。

●もう8年もCPRのクラスを受けている。胸と背中の方法しか教わったことがない。あるいは脇と胸の方法。胸だけというのはもう廃止されたと思っていた。

↑「脇と胸」=「胸だけ」の意味だよ。


今後のスタンダードがどうなるかは、さらなる研究待ちですが、いずれにせよ迅速に対処できるかが大きいようです。

(参照)

【日本赤十字社】心肺蘇生とAEDの使い方 〜JRC蘇生ガイドライン2020対応〜 - YouTube

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