イタリアのアーティストによる何もない作品「見えない彫像」が約260万円で落札される
アートの評価には様々な観点がありますが、ときには技術面より発想の勝利と言えるケースもあります。
イタリアのアーティストが2021年に「見えない彫像」というタイトルの作品を出品しました。
なんと1万8000ドル(約260万円)で売れたそうです。
In 2021, Italian artist Salvatore Garau sold an invisible sculpture for £13,000 ($18,000) providing the buyer with a certificate of authenticity to confirm its existence. pic.twitter.com/oTVDobJYaq
— non aesthetic things (@PicturesFoIder) September 18, 2024
サルバトーレ・ガラウ氏の作品、見えない彫像!
アンデルセン童話「裸の王様」を連想させるアイデアですが、2021年のオークションで1万8000ドルで落札されました。
存在している証明書付きなのだとか。
海外掲示板のコメントをご紹介します。
●私は5000ドルで手放してもいいと思っている、正確なその作品のレプリカを持っている。
↑興味があるのですが、もう少し詳細を教えていただけますか?
↑上の写真の通り。
●盗まれたが、泥棒はまだ発見されていない。
↑それの保険金を請求することを想像できるかい?
↑技術的なレベルでは、この場合、保険が適用されるのは紙の証明書だろう。
↑証明書がケースよりも安全なものに保管されていることを願うよ。
●自分もこのような詐欺を思いつかないとな。
↑あからさまなマネーロンダリング、そして真剣な顔でポーズをとること。
↑よく見ると細部に悪魔が潜んでいる。
↑重要なのは「誰」であって「何」ではない。
●裸の王様ならぬ彫刻の王様。
●最悪なのは、フロリダのある男がこのアーティストを 「自分のアイデアを盗んだ 」として訴えたことだ。
(Tom Miller Sues Salvatore Garau Over Invisible Sculpture | Hypebeast)
↑「あの男の作品はオリジナルじゃない! うちにも全く同じ彫刻がある!」
↑「フロリダの男性、見えない彫刻をめぐりアーティストを訴える」
今まで読んだ中で最高の見出しだな。
●この人は「彫刻は目で見るものではなく心で見るものだ」と言ったらしい。めちゃくちゃ面白いね。
●見えないことは存在しないこととは異なる。
↑それは目に見えないだけでなく、知覚できない。存在するが、観察できないだけなのだ。これは形而上学的な話だ。
●アートビジネスの大半は作品そのものではなく作品の価値である。今に始まったことではない。お金を持っている人が税金の還付のためだけに美術品を買う限り、その対象は重要ではないのだ。
きっと人々の関心を集めた時点でアートなのでしょうね。