2025年01月20日 12:48

プロ演奏者10人で格付けチェックしたら…「ストラディバリウス」に現代のバイオリンが勝利してしまう

 

プロ演奏者10人に現代のバイオリンと「ストラディバリウス」を格付けチェック
17〜18世紀にかけてイタリアのストラディバリ父子3人によって製作された世界最高峰のバイオリン「ストラディバリウス」。

現在の技術をもってしてもその音色を再現することは困難と言われています。

ところがブラインドテストを実施したところ、プロのバイオリニストたちはストラディバリウスよりも現代のバイオリンの音に高得点を付けました。

Reddit/JaschaHeifetz

The Stradによると、
・パリ・ヴァンセンヌのオーディトリアム・クール・ド・ヴィルで実施
・10人のプロのソリストが12台のバイオリンを比較
・6台は18世紀のイタリア製、6台は現代の製作者によるもの
・2010年のインディアナポリスでの論争を呼んだ実験の続編

実験方法は、参加者は改造した溶接工のゴーグルを着用し、薄暗い環境で演奏。2回の75分セッションで評価。コンサートツアーの代替楽器を探すという想定で判断。自身の楽器との比較も可能。

現代の楽器が最高得点を獲得し、ストラディバリウスが最低点。上位2位は現代の楽器、3位はストラディバリウスの「黄金期」の作品、ソリストは好みの楽器を区別できたが、新旧の判別は偶然レベル。

研究者のジョセフ・カーティン氏は、「トッププレイヤーがバイオリンに求めているものは、明らかに年代や原産国とは関係ない」と結論付けています。

海外掲示板のコメントをご紹介します。

●現代の最高級バイオリンの価格を知りたいね。ストラディバリウスより安いのは確実だろうけど、すごく高価なのか、それとも良いヤマハという程度のバイオリンなのか。

↑ストラディバリウスは50万ドル〜2000万ドル(約8000万〜30億円)のようだ。適当な高級バイオリンのサイトを見てみると、8000〜4万2000ドルの幅があった。つまり、現代のほとんどの高級バイオリンの10倍以上の値段ということになる。

↑マンドリン奏者だけど、100〜200ドルから1000ドルくらいまでは音質は大きく跳ね上がる。3000〜5000ドルを超えると、意味のある違いを聴き取れるようになるには少なくとも2万ドルは注ぎ込まないといけない。それ以上は、どんどん小さくなっていく見返りにお金を払うことになる。
自分の4000ドルのマンドリンはクリス・シーリ(マンドリンの名手)のマンドリンにとても近い音を出す。
バイオリンはさらに高価で、人気が高く、より優れた伝統を持っているが、見返りの減少はほぼ同じだと思う。

↑これはほとんどすべての弦楽器に言えることだ。よくできたプロ仕様の品質に当たるちょうどいいツボがあり、それ以上のものはほとんど取るに足らない改良のために指数関数的に高額になっている。

↑パソコンも似たようなものだ。いろいろなことに当てはまると思う。

↑そうだね、ストラディバリウスはコレクターズアイテムだから、これからも価値は上がり続けるだろう。クラシックカーを持っているようなものだ。現代の車はずっと良くなっているが、デューゼンバーグはまだ何百万ドルもする。

●正確な銘柄は覚えていないが、専門家がダブルブラインドテストで行った結果では、グレイグース(高級ウォッカ)のような大手の銘柄は、スーパーマーケットで売られている高級銘柄に比べたらクソだという結果になった。
ベルーガ、ティトーズ、ベルヴェデール、グレイグース、スミノフ等々。

↑ウォッカの特徴は、不純物を含まないこと。そのため、アメリカの法律では「特徴、香り、味、色がないこと」と定められていたが、現在では「中性であること」と変更されている。このことを念頭に置けば、一番下の棚に並んでいるウォッカは別として、ほとんどのウォッカは同じはず。ウォッカをチャコールフィルターに通して不純物を取り除けば、ウォッカの味をさらに良くすることができるので、底値のウォッカを数回フィルターに通せば、一流のウォッカ専門家だけがその違いを見分けることができるだろう。

↑大学のルームメイトは、この目的のためにブリタのフィルターを愛用していた。

↑待て、ウォッカをフィルターに通していたのか? 天才的だ。

↑昔『Mythbusters』(真実かどうかを探求する番組)がこのテストをした。記憶では、プロの試飲者たちはウォッカを濾過すると味が良くなることに同意していたが、ブラインドテストでは高価なものと安価なものの違いを見分けることができた。

●ストラディバリの名誉のために言っておくが、400年前の1人の男が彼の工房で現代のメーカーよりも優れたものを作っていたことを想像してみて。

●よく言われるのは、当時はまだ小氷河期に成長した木材が残っていて、現在の木材よりも密度が高いか、現在の木材より優れていたというもの。しかし、盛られたストーリーではないかと疑っている。

↑元バイオリン製作家だけど、スプルース・トップ、マホガニー・バック/サイドのサウンドは他の何よりも優れているというのは、店では公然の秘密だった。何千ドルもする楽器をいろんな種類のトーンウッドで作ってきたけど、スプルースとマホガニーのミックスは王道だった。
また、木材の水分量や劣化具合も音色に影響すると思う。アコースティック楽器は基本的にスピーカーのように機能する。弦が振動して音を出し、トップが撓んでその音を増幅し、裏/側面がトップを支えて音を反射させる。バンジョーがいい例だ。だから、バンジョーの皮をドラムの皮ではなくTシャツで覆ったら違う音がするかもしれない。ガラスの破片でバンジョーの皮を覆った場合と同じ。
とはいえ、例えばメイプル/スプルースやパドゥーク/シダー、あるいは黒檀/レッドウッドで作られた楽器は、よくできていて変なデザインでなければ、悪い音にはならない。これは(ワインの)カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールを比べるようなものだ。


400年前の個人が、現代技術の粋と争っていると考えるだけでもロマンがありますね。

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